ヨルゲン・レスというオランダの映像作家が「66 Scenes from America(アメリカの66の情景)」というドキュメンタリー映画のため、アンディ・ワーホルが静かにバーガーキングのワッパーを食べている姿を撮影したのは1982年。37年後、4分30秒以上あるオリジナルの映像を45秒へとカットダウンし、スーパーボウルのCMとして登場。ただ映像をCMとして流すだけでなく、スーパーボウルの2週間前にティザーを流し、DoorDash(フードデリバリーサービス)を通してバーガーキングを購入した人に対して、ミステリーボックスというおまけを提供。そのミステリーボックスの中身は、アンディなりきり用のカツラ、ケチャップボトル、旧ロゴの紙袋、という#EATLIKEANDYセット。スーパーボウルで種明かしされた後、ミステリーボックスを手に入れた人たちが実際にアンディのようにハンバーガーを食べているユーザーコンシューマージェネレーテッドコンテンツがネットに登場した。
さて、前回のブログでデータの普及によって、コンテンツと広告のあり方が変わってきている、というお話をしましたが、それに伴い、エージェンシーモデルも変わってきています。Reinventing the Agency(エージェンシーの改革)というタイトルのセミナーが開催されるほど、この広告背景でどうエージェンシーが変わっていくべきか、というのもキートピックとなっています。
CESでこの話題になるのは、やはりこのコンテキストの暗号を解くにはデータが必要であるため。今はデータによって、誰が、いつ、どこで、何に興味を持っているかがわかるため、文脈に沿ったメッセージングがある程度、実現可能となっています。このRight Message to the Right Person at the Right Time(適したメッセージを適した人へ適したタイミングで)というのは結構前から言われているものですが、今、重宝されているのは、データそのもの(WHAT)ではなく、データの隙間にある「なぜデータがそう示しているのか」(WHY)である。