GLOBAL CREATIVE TRIP

海外のブランド事例やクリエイティブトレンドをいちはやくレポート

カンヌセミナー2016 Day 6

8日間に渡って開催されうカンヌライオンズ、6日目を終えました!
「あともうちょっと。あともうちょっと。」
そう自分に言い聞かせながら、会場のあちこちへ、という毎日を過ごしております。

本日のブログは、今最も勢いのあるブランドの1つである
Under ArmourのCEOであるKevin PlankとDroga5のDavid Drogaのトークセッションについて。

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Under ArmourもDroga5も、比較的に若い会社。
パートナーシップを組むことによって、互いのビジネスに大きく影響した。
Under Armourの売り上げはうなぎ昇りで、
Droga5はそのクリエイティブワークで多くの賞を受賞している。

しかし、David Drogaに言わせてみると、成功していると思ったことがない、という。
というのも、成功した、という達成感に満足した瞬間、突き落とされる可能性があるため。

特にUnder Armourからすると、競合相手はNikeAdidasなど大物ブランド。
常に突き落とす瞬間を狙われいている感覚、だそうです。
そういった緊迫感でDroga5は常にクリエイティブに挑んでいる。

このセッションではKevin Plankの苦労時代、Under Armourでの広告の失敗談など、
いろいろ話はありましたが、一番話された内容はブランドの大切さ。
特にBRAND PURPOSEのこと。PURPOSEとは、目的、という意味。
つまり、ブランドの目的は何かを明確にする必要がある、ということ。

今年のカンヌ、PURPOSEという言葉をよく耳にしますね。
何ごともWHY?を問われている気がします。

Kevin Plank:
「ブランドの目的、独自の視点がなければブランドとは呼べない。
ブランドがすべてであり、すべてがブランドにつながっている。」
(すべてというのは具体的に言うと、働き方、商品、社会活動などのこと)

David Droga:
「今、目的が明確で、それが社内、商品、サービスまで
行き渡っているブランドはいくつある?そんなには存在しない。」

ただ単純に、「我々はこう思います」と宣言しても、
生活者もバカではないので、薄っぺらいビジョンなどは見透かされてしまう、ということ。

このBRAND PURPOSEは生活者だけでなく、
クリエイティブタレントを獲得するのにも必要なのかもしれません。
というのも、Droga5も、Under Armourと仕事したい、と思ったのは、
ブランド目的がはっきりしていて、何をしたいか、明確にビジョンがあったから、という。

今年の受賞作品で、BRAND PURPOSEを素晴らしく感じ取れる受賞作品を
最後にご紹介させていただきます。

作品名:#OPTOUTSIDE(アウトドアを選ぼう)
ブランド:REI(アウトドア用品店)
内容:アメリカで行われる感謝祭の次の日、ブラックフライデーという大型セールを
アメリカ各地で行われる。日本で言うと、元日後の1月2日の初売りセールみたいなもの。
本来、家族とゆっくり時間を過ごす大切な時間なのに、物欲をさらけ出し、
売り場が荒れ狂う現状に見かねたREIは今年のブラックフライデーは全店舗休業、
オンラインショップも停止し、全社員、そして国民に、今年は人が押し寄せる店舗ではなく、アウトドアを楽しもう、と提案。
一番売り上げのあるブラックフライデーに全ての店舗を休業するだけでなく、
社員全員は有給にする、という大きな賭けだったが、そこまで信念をもって、
「みんなにアウトドアの素晴らしさを知ってもらいたい」というBRAND PURPOSEを伝えたかったボールドなキャンペーンでした。

信念を持ってやる、ということは成功への第1歩なのかもしれませんね。

Kevin Plank:「I believe in t-shirts(僕はT-シャツの力を信じている)」
David Droga:「I believe in creativity(僕はクリエイティビティの力を信じている)」

本日は以上です。

Au revoir!