GLOBAL CREATIVE TRIP

世界各国を旅しながら働く児玉が、海外のクリエイティブトレンドをいちはやくレポートします。

カンヌセミナー2017 Day4 DIAGEO

カンヌライオンズ4日目!

ほぼ折り返し地点に近くなり、日に日に面白いセミナーが目白押しです!

 

本日のセミナーで、すでにマスターカードのセミナーのご紹介をさせていただいたのですが、もう1つ、私の大好きなCMOであるDIAGEOのSyl Sallerさんが登壇したセミナーもご紹介!

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セミナーの題名は、

THE PATH TO PURPOSE(社会での存在意義への道)

ここ1、2年、ブランドの存在意義(PURPOSE)が問われており、「ブランドパーパス」というのは、どのセミナー、カンファレンスでもよく聞くワードとなっております。ブランドが社会の一員として、どう社会に貢献できているのか、社会をより良くするためにどういった働きをしているのか、消費者は関心を持っており、ブランドに期待している、というのが近年の傾向です。

 

ギネス、ジョニーウォーカースミルノフなど、アイコニックなブランドを出しているディアジオは特に、この「ブランドパーパス」を重要に思っており、「ブランドパーポス」を持つブランドこそ、成功するブランド(売り上げへとつながるブランド)だと信じています。

 

そこで意味あるコミュニケーションをする上でディアジオが大事にしている6つの「C」をご紹介。

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CLARITY(透明性):ブランドが提供できる商品以外の価値とは何か。

CREDIBLITY(信憑生):何かを主張するとき、それを主張する権利をブランドは持っているのか。獲得しているのか。

COURAGE(勇気):試す勇気、そして失敗する勇気を持っているのか。

COLLABORATION(コラボレーション):制作しているコンテンツ、もしくはバックアップしようとしている運動に対して、一番適しているパートナーは誰なのか。

CONSISTENCY(一貫性):信念を揺るがずに、継続的に「ブランドパーパス」を守りきれるか。

COMMITMENT(決意):「ブランドパーポス」を表すのに、十分投資する覚悟できているのか。

 

セミナーを通して、自分たちの失敗作品を絡めながら、各ブランドの事例の紹介がありました。その事例のいくつかをご紹介いたします。

 

GUINNESS

失敗作と思っている作品は、こちら。

映像クオリティは高いのだが、人を動かすエモーショナルな部分が抜けており、不発。

もう一度、ブランドパーパスを見つめ直す中で、昔からギネスのブランドキーワードである、POWER(力強さ)・GOODNESS(良さ)・COMMUNION(つながり)を使い、新たなブランドビジョンが作りあげた。

Power of Communion to Change the World for the Better

つながりの力をもとに、世の中をより良い場所へ

この考えから生まれたのが「Never Alone」というムービーです。内容とは、ラグビー選手では初めて、ゲイである、とカミングアウトした選手をピックアップし、どれほどチームメイトが心の支えだったかを伝えているムービー。

ラグビーというコンテキストも、アイルランド国民の人気スポーツ、ということもあり、うまくブランドとマッチングしている。主人公の男性が、別のスポーツの選手であった場合、ここまで強いメッセージにはならず、信憑生が薄まった、と考えられる。

 

SMIRNOFF

失敗作と思っている作品は、こちら。

CMO自ら、これは何を言いたい広告なのか、わからない、と批判。特に音声を消して見た場合、どのブランドなのかも特定できない、という致命的な間違いをしている、ありきたりで面白みもメッセージも明確でない作品。

SMIRNOFFのブランドパーパスを考える際、SMIRNOFFの特徴を再考した結果、以下の数式が浮かびあがった。

Affordable+Accessible+Democratic=INCLUSIVITY

誰でも購入できる手軽な価格であり、どこでも売られていて、誰でも飲みやすい、ということで、とてもINCLUSIVE(包括的)な飲み物である、ということ。

その考えから出てきたキャンペーンが、We're Openキャンペーン。

こちらの動画は、耳が聴こえないダンスの先生を取り上げたもの。

ナイトライフで飲まれる飲料のため、ダンスや音楽とうまくマッチングしている。

 

JOHNNIE WALKER

1999年から使われているKeep Walkingというブランドメッセージは変わらずですが、意味が少しずつ変化しつつあります。

Keep Walkingとは、歩き続けよう、という意味で、自己成長を主張してきたのですが、ここ近年、国やムーブメントなど、自己よりもよりスケールの大きいものを指すようになってきています。

例えば、アメリカ大統領選の前日にキー局すべてに流した作品はこちら。何があろうとも、選挙がどう転ぼうとも、前へ突き進もう、というメッセージングです。

こちらの作品によって、売り上げが大きく伸びたよう。動画に映るブラックラベルのジョニー・ウォーカーは、売り上げが9%上昇した、と今までにない売り上げアップを成し遂げたそうです。

 

ブランドパーパスをうまく当てはめ、世の中に発信できたとき

・WORK WITH MEANING(意味ある作品)

・WORK THAT MATTERS(社会に影響を与える作品)

・WORK THAT MOVES PEOPLE(人を行動させる作品)

と、とてもパワフルなものへとなる。

 

しかし、それを実現するためには、なんといっても勇気(試す勇気と失敗する勇気)が必要になってくる、という言葉でセミナーは締めくくられました。