GLOBAL CREATIVE TRIP

世界各国を旅しながら働く児玉が、海外のクリエイティブトレンドをいちはやくレポートします。

CES2日目 CMOから見るテクノロジー時代

CES2日目から出た一番の話題とは、停電!

世界一の家電見本市と言われるCESで停電とは、なんという皮肉なんでしょう。

原因は、初日の雨によるものだとか...。

 

そんな中、本日はやっとお日様が顔を出し、ラスベガスらしい晴天でした!

f:id:bbmedia:20180112163856j:plain

 

停電が発生したのはTECH EASTといってラスベガスコンベンションセンターに置かれている一番大きな展示場なのですが、私は本日も場所の離れたTECH SOUTH、広告マーケティングの会場に行っておりまして影響なし!

停電の様子をご覧いただきたい方はこちらから。

通常ならば、明るすぎるくらいの照明とガンガンと鳴り響く音楽と人の声が静まり返っている感じがしますね。

 

さて、本日のトピックはCMO4名によるパネルディスカッション。

本当は昨日のセミナーなのですが、本日のセミナーにあまり面白いものがなく。

ええ、1日中セミナーを受けていても外れの日もあるのです...。

 

登壇していたCMOは、Deloitte(コンサルティング会社)、MasterCard、Turner(メディア会社)Panasonic、と様々な業界で活躍するCMOたちです。

f:id:bbmedia:20180112170249j:plain

 

一番最初にぶつけられた質問は、他のセミナーでも言われていたもの。

「データを使いすぎている、と感じる時はあるのか」

2000年頃は「デジタル時代」、2010年頃は「コネクテッド時代」、そして今、「データ時代」と言われていますが、データを使いすぎる、使いこなしすぎると、SUPRISE & DELIGHT(驚きと感動)というものがなくなるのでは、という話題があります。絶対興味のあろう消費者に、絶対外さないメッセージングをして、どこかで無くしているものはないのか。

全員一致でNO!

今まで、マーケティングはどちらかというと本能とクリエイティングが強かったのが、今は多くの正確なデータによって、消費者へより良い体験を提供できるようになっている。ただし、消費者がプライバシーを侵害されている、と思い始めたとき、ここの考えが少し変わってくる、という。

ミレ二アル世代の次に来るGen Z世代をテーマにした別のセミナーでは、自分が得する、より良い体験を提供してもらえるのであれば、自分のデータを使われるのに嫌と思わない、という若い世代について語っていました。この世代はデータに基づいたパーソナライゼーションを当たり前と思っているということもあり、データを使ってのパーソナライゼーションは加速化していくと予想されます。

 

70%の管理職は、企業の成長の促進はCMOの働きによって、だと思っている。

「結果を測定できない場合、そのマーケティング活動を行うのは無意味?」

マーケティングの一番の目標は、企業の成長であるべき。企業のCEO、CFOは四半期で結果を見ていることが多く、その期待に答えるよう、マーケティング予算がどういった結果に結びついたか適切に説明できるよう、短期間で測定できるマーケティングプランを用意する必要がある。しかし、長期で結果に結びつくであろう消費者の笑顔はどう測定できるのか。短期間で成功を収められないのであれば、長期間で成功を収めるのは困難である。短期間プランと長期間プラン、両方のベクトルでマーケティングする必要があるとMasterCardのCMOは語っていました。

 

マーケティングによって、消費者は何かを得ているのか?」

今、消費者のことを「消費者」とは思っていなく、どちらかというと「ファン」と思うようにしている、と語っていたのはエンターテインメントメディア会社であるTurnerのCMOです。

「消費者」と「ファン」の違いとは?

消費者:PASSIVE(消極的)

ファン:ACTIVE(活動的)

活動的と思われるファンは、コンテンツに興味を持ったり、シェアしたり、お金を使ったり、ブランドと積極的に触れ合おうとするとともに、ブランドの代弁者にもなってくれる。リーチよりも、つながりを大事にするようにしている、とのこと。

ファンと意味あるつながりを持つためにどうやって適したコンテンツを提供できるか、楽しませられるか、サービスできるか、考えている中でデータは欠かせない、という。消費者にその意味ある体験とつながりを提供するには、パーソナライズするためのデータと、それが結果としてどうだったか測定するためのデータが鍵となっている。マーケッターとは、意味ある体験とつながりを作り出すプロデューサーという職業に近くなっている、と語っていました。

 

特につながりを作る中で、取り入れているのは、CO-CREATION。CO-CREATIONとは、消費者と一緒に作り上げる、という意味であり、このCO-CREATIONとは、近年HOT TOPICですね。一方的なメッセージングではなくなかった今の時代、消費者と一緒にコンテンツ、体験を作り上げて行くのがトレンドであり、消費者とより深いつながりを作っていくのに有効的と思われています。

 

「消費者をファンとして考えるのは、マーケッターの楽観的な思い込みである」

とシビアな意見で切り返したのはMasterCardのCMOです。

消費者は意外と冷酷であり、世の中にある8割のブランドが消えたところで消費者は痛くもかゆくもない、という統計を加えながら説明。もちろん、逆に考えると2割のブランドが消えたとき、もう生きていけない、と思う絶望感に立たされることも。

消費者は人間であり、人間の生活の中で「消費」している時間はほんのわずかの時間であることを忘れてはいけない。「消費」していない時間の過ごし方が、「消費」へと影響するため、消費者ではなく、全体の「人間」として見るべき。消費者は、情熱的になれるものに対して「ファン」となる。MasterCardでは、3、4年前、この点に気づき、今は消費者と、消費者が情熱を持っているモノ(音楽、スポーツ、演劇など)とのつながりを作り出す役割をしている。

例えば、消費者は髭剃りのブランドを買っているのではなく、良い剃り感という体験を買っている。同じ金額でより良い体験を提供しているブランドがあった場合、簡単に切り替える。消費者は、ブランドとは体験を提供するモノと思っており、より良い体験を提供しているブランドがあった場合、すぐに切り替え、ブランドロイヤリティなんて、本当に存在するのか、と少しスレた意見を述べたMasterCardのCMO...。

 

「今の時代、ブランドロイヤルティは薄れているのか?」

BRAND  LOYALTYよりBRAND AFFINITYを

LOYALTY=忠誠心

AFFINITY=親近感

誰もブランドに切っても切れない永遠の忠誠心はなく、ブランドは他のブランドより選んでもらえるよう親近感を育んで行くべき、という。

 

「AIの重要性とは?

登壇者4名とも、AIを何かしらの形でマーケティングに取り入れている。AIへの投資は絶対に必要だと全員が語る中、投資額、進歩の差によって競合他社との差になるか、という質問に対して、以下の回答がありました。

AIの正確性とポテンシャルを見ると、AIを取り入れない、という選択肢はない。

競合との差、というよりは、生き残るために絶対必要なもの。

と、AIの重要性について誰もが同意。

 

最後に...

「1000万ドル、何にでも使っていい予算が空から降って来たら、何に使いますか。」

Deloitte:社員全員が経営役員が考えていること、感じていることに少しでも共感できるよう、経営役員のVR体験を作る。

MasterCard:世界中にいる会社のメンバーを連れて、CES、そのあとのMobile World Congress、シリコンバレーへ数日間、社内研修を行う。最新のものに触れ、未来へ備えてもらう。

PanasonicPanasonicが持っている最新テクノロジーを実際体験できるマーケティングツールを作る。

Turner:VRを使った新しいコンテンツとコーズマーケティングに使いたい。

 

と最後は(CMOにとって)夢のある質問で締めくくられました〜。