GLOBAL CREATIVE TRIP

海外のブランド事例やクリエイティブトレンドをいちはやくレポート

CES2019 CONTENT is KING. CONTEXT is ...

年に何回か、海外で開催されるカンファレンスに参加しているのですが、どのカンファレンスも独特の空気感があり、「あっ来た」と思う瞬間があります。

カンヌだと清々しい海風に暖かい日差しを浴びながら会場へ向かう時に「あっ来た」と感じるのですが、CESも同じく会場へ向かう時、カンヌに比べて爽やかさはないですが「あ来た」と感じます。

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平日の朝一のため、カジノはガラガラですが...

スロットマシーンを通り抜けて訪れるのは、マーケティングをテーマにしたセミナー会場です!

 

去年からよく耳にする言葉、それは

Contexutal Advertising(コンテクスチュアル広告)

今年のCESの最初2日間だけで、Contextual Advertising! Context! Context! Context!、と明らかにトレンドしています。

 

1996年、マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツがインターネットの夜明けに"Content is King(コンテンツは王様)"という題名のエッセイをマイクロソフトのウェブサイトに掲載しました。

テレビ革命では、当初様々な業種は潤ったが、結局長期的に成功したのはテレビを通して情報とエンターテインメントを提供したコンテンツプロバイダーである。インターネットもテレビと同じで、インタラクティブなネットワークであることによってコンテンツの定義は広範囲に渡るが、結局は質の高いコンテンツをインターネットを通して提供したものが成功し、インターネットを飛躍させる、とビル・ゲイツは示唆していた。

23年後の今、読み返すと感慨深いですね。(原文はこちら。日本語訳はこちら。)

 

今年のCESのセミナーで言われていたのは、

Content is King.  But Context is the Key.

コンテンツは王様だが、コンテキスト(文脈)が鍵を握る。

「コンテキストは王女」「コンテキストは神」と様々な言い方はありますが、とにかく文脈は重要、ということですね。

 

コンテンツが王様なのは変わらないのですが、いくらプレミアムな素晴らしいコンテンツだったとしても、全く興味のない人にとっては、価値のないものとなります。よりコンテンツに価値を持たせるにはコンテキストが鍵となります。

 

CESでこの話題になるのは、やはりこのコンテキストの暗号を解くにはデータが必要であるため。今はデータによって、誰が、いつ、どこで、何に興味を持っているかがわかるため、文脈に沿ったメッセージングがある程度、実現可能となっています。このRight Message to the Right Person at the Right Time(適したメッセージを適した人へ適したタイミングで)というのは結構前から言われているものですが、今、重宝されているのは、データそのもの(WHAT)ではなく、データの隙間にある「なぜデータがそう示しているのか」(WHY)である。

 

WHAT:この人がここでこれを買った。

WHY:この人がここでこれを、なぜ買ったのか。

 

WHAT:このコンテンツのエンゲージメントがすごくよかった。

WHY:このコンテンツのエンゲージメントが、なぜよかったのか。

 

WHYを解読することによって、本当の意味で消費者を理解にすることができ、よりその人に適した=より価値のあるコンテンツを提供することができます。結局はデータに頼りきるのではなく、そのデータを利用して、深い理解へとつなげる、ということですね。