GLOBAL CREATIVE TRIP

海外のブランド事例やクリエイティブトレンドをいちはやくレポート

スーパーボウル2019 「児玉の勝手に」広告ベスト3

世界一高い広告枠と言われているスーパーボウルが2月3日(日)アメリカでオンエアしていたことは皆さん、ご存知でしょうか。アメリカで最も高視聴率と言われているアメリカンフットボールの決勝戦スーパーボウルの30秒枠は約525万ドル(約5.8億円)で、広告業界にとっても1つのお祭り化となっております。

 

今年のスーパーボウル自体は、13対3でニューイングランドペイトリオッツが勝利をおさめました。スーパーボウル史上最も低い得点数で全く盛り上がりを見せない試合だったのですが、コマーシャルはどうだったでしょうか。

 

そこで「児玉の勝手に」スーパーボウル広告ベスト3の発表です!

 

#1 ペプシ「More Than OK(OK以上)」

女性客が「コーラをお願いします」と注文すると、店員が「ペプシでもいいですか」と返答。この情景はよく目にしますし、誰でも聞き返された経験があるのでは。俳優のスティーブ・カレルのペプシの良さについての熱弁と、旬のミュージシャンであるカーディ・Bの印象的な登場により、「ペプシがよい」へとメッセージが変化する。ペプシが自分の立ち位置を充分に理解し、それを逆手にとった企画が実に良い!

 

#2 バーガーキング「#EatLikeAndy(アンディのように食べる)」

 ヨルゲン・レスというオランダの映像作家が「66 Scenes from America(アメリカの66の情景)」というドキュメンタリー映画のため、アンディ・ワーホルが静かにバーガーキングのワッパーを食べている姿を撮影したのは1982年。37年後、4分30秒以上あるオリジナルの映像を45秒へとカットダウンし、スーパーボウルのCMとして登場。ただ映像をCMとして流すだけでなく、スーパーボウルの2週間前にティザーを流し、DoorDash(フードデリバリーサービス)を通してバーガーキングを購入した人に対して、ミステリーボックスというおまけを提供。そのミステリーボックスの中身は、アンディなりきり用のカツラ、ケチャップボトル、旧ロゴの紙袋、という#EATLIKEANDYセット。スーパーボウルで種明かしされた後、ミステリーボックスを手に入れた人たちが実際にアンディのようにハンバーガーを食べているユーザーコンシューマージェネレーテッドコンテンツがネットに登場した。

 

#3 プリングルス「Sad Device(悲しいデバイス)」

一般家庭に続々と登場している音声デバイスをいじったプリングルスの広告は、去年のスーパーボウルでも訴求したスタッキング(重ね食べプリングルス)をメインメッセージにしています。プリングルスの味の豊富さと特有な形で成せるメッセージングですね。今回のCMで注目すべき点は、音声デバイスを切なく思ってしまう、キャラづくり。

男性が「一体何通りのコンビネーションがあるんだ?」という質問に、音声デバイスの切ない答えとは、「318,000通りあります。残念ながら私は味わう楽しみを知ることはないです。重ねるための手もなければ、味わうための口もなく、喜びを感じるための感情もないのです。私はただ、皆さまの言われた通り....」と言っている途中に音楽をお願いされてしまう、なんとも悲しいデバイス

 

と、50以上ありましたスーパーボウル広告から厳選した児玉の広告ベスト3でした〜。

 

最後にプリングルスのくだらないウェブコンテンツのご紹介も!

www.pringles.com

アメリカでは「Flavor Stack」、日本では「カサネタベプリングルス」と言って、3種類の味を擬似的に重ねて楽しめるウェブサイトコンテンツ。3種類の味を選んで待ち受けるのは、「WOW!」と褒めてくれるくだらない動画が意外とクセになります。