GLOBAL CREATIVE TRIP

海外のブランド事例やクリエイティブトレンドをいちはやくレポート

MWC2019 MasterCardのデジタル改革

テクノロジーによって多くの業種や企業がDISRUPT(破壊)されている今、時代に取り残されないようにと、それぞれの組織はDIGITAL TRANSFORMATION(デジタル改革)を起こそうと、大忙し!

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5G、AI、IoT、Big Data, oh my!

今年1月、ラスベガスで開催されたCESでは、デジタルに適応するため、ブランドロゴのアイコン化を発表し、DIGITAL TRANSFORMATIONの真っ只中のMasterCardが「デジタル改革を通して顧客体験を再構築する」というセミナーに登壇しており、MasterCardがデジタル改革を行う上で大事にしている4つのフィルターについて話しておりましたので、ご紹介します。

 

1.  Are we making consumers' lives easier?

消費者の生活をより便利にしているのか。MasterCardのスピーカー自身も「ありきたりで失敬」と言っていましたが、結局は何ごとも消費者が中心となります。が、この「より便利」を気にする中で、忘れてしまいがちなことが。それが次のフィルターとなります。

2. Are we giving consumers a peace of mind?
消費者に安心を与えているか。1番目のフィルターで消費者の生活を便利にするゆえ、消費者が不安に感じる「ある一線」を超えていないか、どうか。MWCに参加するような人々と、一般消費者には大きなギャップがあります。IoT、AI、5Gなどと、日頃考えてはいない消費者に、今のスピード感で発展するテクノロジーを投げつけると、自然と不安になりますよね。ここで重要なのは、消費者に信頼してもらえているかどうか、ということ。透明性、という言葉は使われすぎていますが、透明生を持って消費者と接していないと、いずれ腹の奥に潜めている裏の目的が暴かれ…ま、良い結末には至らないですね。

3. Partnerships in line with your Values

たった1つの企業ではデジタルイノベーションは実現しません。デジタルイノベーションはモバイル上、アプリ、ブラウザ、デバイス等で起こる以上、パートナーシップは今の時代、必要不可欠なのです。MasterCardのパートナーシップの1つの事例をご紹介します。

 

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MasterCardウェブサイトより:QRコードスマホを利用した電気料金の支払い

去年のMWCでMasterCardはM-KOPAというケニアの太陽発電会社とのパートナーシップを発表しました。このパートナーシップを通して、東アフリカの地域で電気へのアクセスがない人々に太陽光パネルを提供し、モバイルを通しての支払いを可能にしました。太陽光パネルを簡単に購入することはできませんが、モバイルを通して、電気が必要なときに少しずつ支払いを重ね、約1年で太陽光パネル自体の支払いは完了できるようになっています。また、今まで金融機関と無縁だった人々が、MasterCardの支払いを通して蓄積されるのが「信用情報」。その信用情報を使って、生活で必要なものを手に入れるためのローンを組めるようにしています。

4. Give Consumers Back Control

デジタルが進む中、自分のクレジットカード情報がどこに存在するか、皆さん一覧にできますか?多くの人はできないと思います。MasterCardが実現しようとしているのは、消費者に自分のクレジットカード情報がどこに存在しているのか、またその情報を透明性を持って提示し、削除できるようにすること。

 

今年のMWCでのMasterCardの発表

デジタルが進む中、ショッピングはよりシームレスになっていきます。ボタンをクリックだけで、なんでも購入する時代です。音声デバイスが普及するにつれ、ボタンすらいらず、言葉に発するだけでモノを購入することが可能となりました。ショッピングはシームレスであるべきだが、隠されてはいけない、とMasterCardの人は語っていました。そこで、音声でのコミュニケーション、取引が進む時代に向けて、MasterCardはSonic Brand(音響ブランド)を発表しました。

サウンドロゴと言ってしまえば、サウンドロゴですが、誰でも認識できるサウンドロゴを持っていないブランドであれば、今後、音声での対話が増える中、ブランドを認識できる「音・声」を言及する必要がありますね。