GLOBAL CREATIVE TRIP

世界各国を旅しながら働く児玉が、海外のクリエイティブトレンドをいちはやくレポートします。

MWC2019 ARゲームの先駆者Niantic Inc.

Niantic(ナイアンティック)という企業をご存知でしょうか。では、Pokemon GOはどうでしょう。Nianticは、任天堂Pokemon GOを共同開発し、一般消費者にARを普及させた、と言っても過言ではない、ARテクノロジー企業です。そのNianticの創設者であり、CEOのジョン・ハンケ氏が登壇したキーノートセミナーの内容を少しご紹介します。

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Niantic Inc.の 創設者ジョン・ハンケ氏のキーノート

Nianticは、もともとデジタル上で地図を作成すべく、2001年にKeyholeというベンチャー企業として産声をあげています。いずれGoogleに買収され、Google Map、Google Earthの開発へ。(毎日当たり前のように使うGoogle Mapを作ってくれたジョンに感謝!)緻密な地球の地図を世界中の人々の手元へ届けた後、次に何ができるだろうか、と思い、2015年にGoogleから独立し、Niantic Inc.としての活動を開始します。

Niantic Inc.は3つの価値観を基盤に成り立っております。

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Nianticの3つの価値

Exploration <発見>

家族や友達と一緒に冒険できるようなプロダクトを開発したかったこと。どの町にも発見や冒険が待ち受けている、という考えから生まれています。

→ ゲームのユーザーを通して、今までで何億という場所が発見され、共有されています。

Exercise  <運動>

発達している地域こそ、運動不足が問題となっています。歩く、という簡単な行為を促進したかった、という考えから生まれています。

→ ゲームを通して、全ユーザーにより230億キロ歩かれています。

Social <実社会でのつながり>

ソーシャルという言葉を聞くと、必然的にデジタルを思ってしまいますが、Nianticが促進したいソーシャルとは、実社会でのFace to Faceの対話となります。

Nianticが世界各国で開催しているゲームイベントの参加人数は去年の1年間だけで300万人以上と言われています。

 

Nianticが一番最初に開発したIngress(イングレス)というゲームは2500万ダウンロードされており、ARゲームで世界2位の人気を誇っています。そして、その次に開発したPokemon GOは、今で約10億ダウンロードされ、その人気は未だ拡大し続けております。そして、今年、ハリーポッターファンも大注目のHarry PotterのARゲームが公開されます。

 

ARを通して、世界にワクワクを与えているNianticの5Gへの期待は?

Nianticがやりたいことを実現するには、4Gのネットワークでは限界を感じている、とハンケ氏。5Gが実現できたとき、Nianticが創造している3つのことが実現できると考えます。

1. AR Cloud

AR Cloudとは、地球上の環境をすべてマッピングし、人間のため、ではなく、人間が操作するデバイスのためのAR地図を作る、ということ。いわゆる、「地球規模のAR」です。これが実現できたとき、実際の世界にありとあらゆる拡張現実を重ねることが可能となります。Niantic Real World Platformとして、開発途中ですが、これを実現するには、5Gのような処理スピードが必要不可欠となります。

2. ライブイベント

Niantic3つの価値の1つである「実社会でのつながり」を実現しているライブイベントでも5Gは重要となってきます。時には10万人以上が参加するイベントでは、みんながスマホを片手にゲームに参加するものとなります。集中した場所で、何万人以上の端末を稼働させるには、さすがに4Gでは圧迫されている、とのこと。

3. 低遅延

Latency(レイテンシー)という言葉は今年のMWCでよく耳にするのですが、いわゆるネットワークの遅延のことで、5Gになったとき、その遅延が低くなる、ということです。その遅延は1ミリ秒以下となります。どれくらい早くなるのか、というと、説明できないですが、今の4Gだと大体10ミリ秒と言われています...。遅延が少ない、ということは正確な動きを瞬時に伝えられる、ということですが、各業種がこの低遅延に注目しています。ではゲーム上で、どのような意味を持っているのでしょうか。全員が参加しているARゲームだった場合、各プレイヤーやゲーム上のARの動きをすべてトラッキングしている中、何か/誰かがすばやい動きをした場合、その動きについていけないこととなります。

Codename NEONというデモゲームの映像とともに紹介されました。

低遅延によって、このようなリアルタイムで同じAR空間を共有できるマルチプレイヤーのゲームを実現することができます。

 

ジョン・ハンケ氏の締め言葉

未来とは、実世界での多く、もしくは全ての体験がデジタルなインタラクション、インターフェイス、情報、エンターテインメントによって、拡張されたものとなります。このような規模の変化は10年、または数10年に一回訪れるかどうか、というものです。マイクロコンピューターの誕生を幼い頃に体験し、Googleではクラウドの誕生を目の当たりにし、スマホの普及に参加しました。そんな僕から見るARへの移り変わりは、今まで見た変化に値する変化と思います。