GLOBAL CREATIVE TRIP

海外のブランド事例やクリエイティブトレンドをいちはやくレポート

SXSW2019 イノベーションアワード受賞作品

 毎年楽しみにしているイノベーションアワードの受賞式が昨晩、3月11日に行われ、いくつか、面白い!と思うものをご紹介いたします。

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ファイナリストは数日前に審査員の前で発表し、授賞式で受賞作品が発表されます

VISUAL MEDIA EXPERIENCE - ビジュアルメディアエクスペリアンス

受賞作品:HBO'S SXSWESTWORLD

去年2018年のSXSWで行われたHBOの人気番組Westworldをプロモーションするためのアクティベーションです。とにかく規模が違います。SXSW開催のオースティン市内で行えないほどの規模だったため、参加者をわざわざ離れた町へ連れて行っての体験となります。Immersive Storytelling(没入型ストーリーテリング)とは、今年のホットトピックだと思うのですが、その代名詞とも言えるこの体験は、ウェストワールドが繰り広げられるスイートウォーターという町を作り、444ページ分の台本を通して、参加者を世界観に没入、かつ参加してもらう、というものです。いわゆる日光ウェスタン村みたいな感じなんですかね。よりも、参加者全員がストーリーに参加できる緻密な計算をされているものとなります。おそらく今年のカンヌで受賞するのではないでしょうか、と勝手な児玉予想です。

 

MUSIC & AUDIO INNOVATION

受賞作品:NURAPHONE - A SELF-LEARNING HEADPHONE

今年の大きなトレンドはオーディオです。そのオーディオ部門で受賞したのが、NURAPHONE(ニュラフォン)というパーソナルな体験を提供するヘッドフォンです。展示場でブースが出ていたので体験してみたのですが、ヘッドフォンを装着し、最初に1分間ほど、低音から高音の様々な音を流され、聴覚の測定をされます。自分だけの聴覚プロファイルに合わせて音楽が流れるため、よりダイナミックな音楽体験を実現されます。ただ耳をかぶさるだけでなく、イヤホン見たいな突起物が付いているため、耳に突き刺さる感じが好きでない人には向いてないです。

 

ROBOTICS & HARDWARE

受賞作品:MY SPECIAL AFLAC DUCK

アフラックは23年間に渡り、CSR活動を通して小児がん患者とリサーチをサポートしてきた保険会社です。去年、作ったのが、My Special Aflac Duckと言い、小児がん患者に癒しと楽しみを与えるためのアヒル型のスマートロボット。心臓音があり、細かい動きがとてもリアルで可愛いです。

 

HEALTH, MED, & BIOTECH

受賞作品:BUTTERFLY IQ

Butterfly iQとは、世界初のハンドヘルド型の全身超音波システムです。デバイススマホにつなげるだけで、どこでも、誰でも、超音波スキャナを使えるようにしています。今までは高額で、世界の3分の2の人しか医療画像を利用できなかったのを、このシステムで医療を民主化した、と言われています。

 

HEALTH, MED, & BIOTECH

ファイナリスト作品:HEALTH VOYAGER

受賞はしていないのですが、いいなー、と思ったファイナリスト作品を1つご紹介します。自分の病状を理解することが治療の第一歩と言われますが、それを子供でも理解できるような仕組みを作ったのがHealth Voyagerです。モバイルアプリを通して、VRなどのインタラクションを通して病状と自分の体内で起こっていることへの理解へつなげる、というシステムとなります。病院ですでに使っている患者のデジタル情報システムを流用し、医者が簡単に各患者に合わせてカスタムメイドできるのが良いポイントとなります。