GLOBAL CREATIVE TRIP

世界各国を旅しながら働く児玉が、海外のクリエイティブトレンドをいちはやくレポートします。

カンヌセミナー2019 Day3

カンヌ3日目!時差調整を素晴らしく成功させたことに自己満足している、児玉です。(いや、本当に!夜中に一度も起きず、朝7時、8時頃に自然と目が覚めます☆)

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カンヌらしい1枚をどうぞ!ビーチに連なっているのは、TwitterFacebookGoogleSpotifyがスポンサーしているビーチハウスです。

カンヌ3日目、メインステージに登壇したのは、ユニリーババーガーキングウェンディーズ、P&G、とメガブランドだらけ!その中から、今回もざっくりと内容をご紹介!

UNILEVER(ユニリーバ

ユニリーバの顔であったChief Marketing OfficerのKeith Weed(キース・ウィード)が30年以上務めたユニリーバを離れて初めてのカンヌとなった今年、登壇したのはユニリーバのCEOであるAlan Jope(アラン・ジョープ)さんでした。

余談ですが、キース・ウィードは今何をやっているか、というと、北京からパリまで、車で旅をしているようです!!!アランが今朝キースと電話したとき、カザフスタンにいる、とのこと。すごいですね。

ユニリーバと言えば、パーパス!パーパスが流行る前から、カンヌのステージで大企業としての責任、パーパスを唱えていました。そして、今年、キース・ウィードの代わりにパーパスの伝道師となったのが、CEOのアラン・ジョープさん。ユニリーバの今の広告活動を紹介する中、彼の2つの宣言が印象に残りました。

ユニリーバの全ブランドは今後、良い商品の提供だけでなく、社会へ良い影響を与えるパーパスブランドになる

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"パーパスのないブランドは、長期的な将来はない”

ユニリーバポートフォリオにあるブランドを紹介しつつ、「これらのブランドの商品を使うことにより、世の中をより良くするのはあなた!」と伝えているブランドムービーもセミナーで紹介されました。

「パーパス」の仮面を被った薄っぺらいクリエイティブに参加するのをやめるよう

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"素晴らしく、意味のあるパーパス・マーケティングをしているクリエイティブチームのみと仕事をしたい”

トレンドである、ということは皆が注目し、行なっていること。しかし、パーパスを提唱するには、コミュニケーションだけでなく、組織全体のあり方そのものに浸透していないと、今の時代、その仮面は容易に剥がされてしまいます。また、そういったコミュニケーション活動をすることにより、世間は不信感に包まれ、本当に社会の改善に務めているブランドは傷つき、業界として衰退する、と警告していました。

 

BURGER KING(バーガーキング

バーガーキングセミナートピックは「Survivor's Guide to the Apocalypse(黙示録を生き残るためのガイド)」。生き残るために必要となるものは、

デザイン・テクノロジー・プロダクト。

この3つのベクトルでバーガーキングは自身の活動を紹介していました。

 

デザインで紹介されたのは、今バーガーキングが取り組んでいる、Burger King of the Future(未来型バーガーキング)という店舗デザインの一新。

 

テクノロジーで紹介されたのは、データとテクノロジーを使った下記3つの事例。

・The Whopper Detour(寄り道ワッパー)

ダイレクト部門でグランプリ(その他多数ゴールド受賞。これからも多数受賞予定)

マクドナルドの店舗に行き、バーガーキングのアプリを開くと、看板商品であるワッパーを1円で購入できるクーポンを手に入れる、というもの。

・The Traffic Jam Whopper(渋滞ワッパー)

渋滞にハマった車へ位置情報と交通データを使って商品を届けるデリバリーサービス。

・Burn that Ad(その広告を燃やせ)

 

バーガーキングアプリ内のカメラを通して、マクドナルドの広告を見ると、AR上でマクドナルドの広告が燃え上がり、その炎からお得なクーポンがもらえる、というもの。

先月「バーガーキング 広告事例」というブログ記事で上記3つの作品を紹介しているので、気になる方は、ポチッと!

 

プロダクトで紹介されたのは、肉を一切使わない、植物由来の代替品を取り入れたImpossible Whopper(不可能ワッパー)。

インポッシプル・ワッパーは試験的に今年4月からアメリカ中部のミズーリ州内の59店舗で販売開始。この人工肉を使用したワッパーが実現できたのは、2011年に家畜による環境破壊のない世界を目指して設立されたインポッシブル・フーズとのパートナーシップです。結構評判も良いようで、肉好きな私も食べたい1品となっております。

 

さらに、サステナビリティを視野に入れ、バーガーキングはメニューから合成着色料、人工調味料、人工防腐剤の使用をなくすことに真剣に取り組んでいることを表明。これが、ファストフードブランドであるバーガーキングのパーパス、社会への責任、というところでしょうか。

 

WENDY'S(ウェンディーズ

ウェンディーズはここ数年、ソーシャルメディアチームを強化したことで注目されています。少し切れ味のある、ぶった切りキャラであるウェンディを看板娘に、若い世代で人気を博しています。

例えば、去年カンヌで受賞したのは、競合ブランドをディスったラップアルバムをSpotifySoundcloudなどの音楽ストリーミングプラットフォームで公開した"WE BEEFIN?"というもの。

 BEEFIN'(BEEFING)、もしくは、HAVE BEEFというフレーズは、スラングで、 不満や苦情がある、喧嘩している、という意味。

例文① I have a beef with you.:キミに苦情があるんだよ。

例文② Let's start a beef.:喧嘩をはじめようぜ

 

ウェンディーズが一番BEEFを持つのは、他のブランドが肉を冷凍している、ということ。バーガーキングの売りが「Flame Grilled(直火焼き)」だとすると、ウェンディーズの売りは、「Always Fresh, Never Frozen(常に新鮮、冷凍一切なし)」。いわゆるlウェンディーズの「地雷」は、冷凍肉ですね。

 

そこで、紹介するのが、今年すでに多くのライオンを受賞している「KEEPING FORTNITE FRESH(フォートナイトの新鮮を保つために)」という作品。

カンヌ3日目の時点で、

・ソーシャル&インフルエンサー部門:グランプリ

・エンターテインメント部門:ゴールド

・メディア部門:ゴールド

その他、シルバー4つ、ブロンズ1つ、を受賞しています。

FORTNITEとは、若い世代の圧倒的な人気を誇るビデオゲームです。しかし、そのゲーム上に現れるハンバーガー屋に映っているのは、なんと!冷凍庫。(ドカン!ウェンディーの地雷を踏みましたね)そのことに気づいたウェンディーズのクリエイティブチームは、赤毛でおさげをしたアバターを作り、ゲームに入り込み、他のプレイヤーを狙撃するのではなく、ひたすらハンバーガー屋を見つけては、ハンバーガー屋に置いてある冷凍庫を壊していく、という活動に出ました。

驚くべきことに、冷凍庫が置かれている、という事実発覚からわずか4日間で実施へ移っています。アバターもデザインして、ウェンディに似たものを作ったのではなく、既存設定にあった「赤毛」「おさげ」を選択しただけ。そのまま、ソーシャルチームは9時間ぶっ通しで冷凍庫を破壊し続けたようです。それが話題になり、他のプレイヤーも冷凍庫を壊しはじめ、結果、FORTNITE側で冷凍庫をゲーム上から消す始末にっ!

 

P&G

P&Gでは、Chief Brand OfficerのMarc Pritchard(マーク・プリチャード)と、ジャーナリストのKatie Couric(ケイティ・クーリック)、そして、歌手のJohn Legendジョン・レジェンド)がステレオタイプについて、トークセッションを繰り広げていました。このセミナーで一番印象に残ったのは、セミナー最後に行われたジョン・レジェンドのパフォーマンスですかね!

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この人、歌がお上手!

ここ数年、P&Gは、カンヌの場を借りて、差別やステレオタイプ、男女平等について、この分野で変化を促してきている人々を招いてトークセッションを行なっています。世界最大級の広告主として、世間が共感できる人々の描写、様々な視点を取り入れたコミュニケーションを通して、世の中から偏見をなくし、本当の意味で平等な世の中を作る責任がある、とマーク・プリチャードは語っています。

 

ということで、そろそろ、ジョン・レジェントの「All of Me」を聞きながら、眠りにつこうかと思います。

 

ボンニュイ〜