GLOBAL CREATIVE TRIP

世界各国を旅しながら働く児玉が、海外のクリエイティブトレンドをいちはやくレポートします。

新型コロナウィルス時代と海外広告事例 その1

2020年が明けたとき、世の中がここまで一変すること、誰が予想できたでしょうか。新しい生活、新しい働き方、新しい現実。皆さまはお元気にお過ごしでしょうか。

世界が大変な状況に直面している中、どのブランドも、どう消費者の役に立つことができるか、どう消費者とつながりを保ち続けられるか、考えているときです。

そんな中、ここ1ヶ月で見た個人的に好きな海外ブランドからの広告、活動をご紹介いたします。

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YouTubeよりスクリーンキャプチャ

NIKE | Play for the World(世界のためにプレーしよう)

有名アスリートから一般人まで、外に出れず自宅でプレーする(体を動かす、鍛える)人々を描いた動画です。一貫性を図るためなのか、すべてモノクロにした映像と写真をとともに、NIKEらしい強く堂々としたコピーで構成されている動画です。

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コピー>リビングでプレーしている者たちへ。キッチンで、ベッドルームで、ガレージで、地下室で、廊下でプレーしている者たちへ。みんなでいっしょにプレーできなくても、国を代表してプレーできなくても、大観衆の前でプレーできなくても、わたしたちは今78億人のためにプレーしている。誰かのためにプレーできるチャンス。世界のためにプレーしよう。

家にいることを促しているだけでなく、動画の背景には、家でも一人一人がプレーできるように豊富なトレーニグコンテンツを無料提供していたり、ナイキのインストラクターによるクラスのライブストリームなどを行なっていたり、消費者をサポートする活動を行なっているため、この動画も腑に落ちます。

また、ソーシャルメディアでは有名なアスリートを起用して、フィットネスチャレンジ”The Living Room Cup(リビング杯)”というソーシャルメディアキャンペーンを4月頭から開始。週に1回、有名アスリートのInstagramアカウントからチャレンジが発表され、週の終わりに参加した人たちの動画とつなぎ合わせた結果動画とともに、次のアスリートへバトンが渡される、という仕組みです。

スタートは、2億人以上のフォロワーを誇るクリスティアーノ・ロナウドから、45秒間で何回トーリーチをできるかな、というチャレンジでした。

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Apple | Creativity goes on(クリエイティビティは続く)

NIKEに似ているけれども、紛れもなくAppleの広告である、と感じる、シンプルながらパワフルなメッセージが込められた広告です。

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世界が隔離する中でも、一般人から有名人まで、Apple製品を使って、どうクリエイティビティが生き続けているのか、描いている動画です。

2018年から開始されたAppleの大きなプラットフォームであるBehind the MacMacの向こうから)の傘下に入る広告となります。

この動画に込められたAppleの思いとは、YouTubeの説明文より>私たちは常々クリエイティビティの持つ力を強く信じてきました。いま、これまで以上に、自分たちのクリエイティビティ、独創性、ヒューマニティ、希望を新しい手法で共有する世界中の隅々にいる人々にインスパイアされています。

2、3日でラフな構成ができあがり、2週間というスピードで制作完了にいたったそうです。

 

GLOSSIER(グロッシアー)

グロッシアーファンであるがゆえ、少し偏りがあるかもしれませんが、つい先週発売開始したハンドクリームの広告のトンマナが絶妙すぎたため、ご紹介します。

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本当のお母さんからの音声メッセージに、ブランドにつながりを持つアーティスト、クリエイター、アーティストからの「いまの日常」を描いた映像素材を重ね合わせた動画となります。数日後にYouTubeでも16:9の画角の映像が公開されましたが、見比べてみると、Instagramの正方形の画角をメインに考えて制作されているのが伺えて、ソーシャルファーストなブランドだな、と改めて実感できます。

お母さんからのメッセージ>ね、ミッチ。お母さんよ。元気にしているか、ニューヨークの様子が気になって電話してみたわ。自由な時間がいっぱいあるから、実りのある毎日を過ごしていることを願っているわ。とても愛しているわ。安全に、元気でね。バイバイ。愛しているわ。

ただ広告を打つだけでなく、商品発表に合わせて普段ならば編集者やインフルエンサーへ配る新商品を、商品がハンドクリームということもあり、1万個のハンドクリームを最前線で戦っている医療関係者へ寄付しています。また、事前にファンが遊べる商品のARをInstagram Filterとして紹介したり。広告と活動、ともにファンが求めていることを理解しているブランドというのがわかりますね。

 

いま、「みんなで頑張ろう。」と、よくありがちな情緒系広告が多い中、社会やコミュニティへ貢献をした上で、ブランドに忠実なトーンでコミュニケーションしているブランド3つの広告事例でした。

Until next time!  Stay safe!