GLOBAL CREATIVE TRIP

世界各国を旅しながら働く児玉が、海外のクリエイティブトレンドをいちはやくレポートします。

新型コロナウィルス時代と海外広告事例 その3

いつの間にか5月中旬!どこか、気持ちはコロナが拡大を見せた3月のまま、時間が止まっているように感じるのは私だけでしょうか。通常ならば、あと1ヶ月後に控えるカンヌライオンに向けてセカセカと準備を進めていたはずが...!

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ソーシャルメディアよりスクリーンキャプチャ

今回ご紹介する海外広告の事例たちをつなぐの1つのテーマはなく、ただ単純に気になった広告をご紹介いたします!(あ、ちょっと雑っ 。)

Coors Light | Clone Machine

今、世の中にZoom Fatigue(ズーム疲れ)という言葉が流行っているの、ご存知ですか?リモートワークが普及する中、仕事をする上で欠かせなくなったのがビデオ会議です。チームメンバーの顔が映った画面を撮影し、ソーシャルメディアでキャピキャピとシェアしていた時代はもうとっくの昔のお話。日中はビデオ会議、仕事が終わったらオンライン飲み会、と常にスクリーン越しでコミュニケーションをするのに、多くの人が疲れを感じている、と言われています。そのズーム疲れを解消するのに、サポートしようとしているのが、ビールブランドCoors Lightです。ビデオ会議用のクローンを作ることができるクローンマシーンがつい先週、公開されました!

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ま、マシーンと言っても・・・特設サイトでうなずく仕草、メモをとる仕草、微笑む仕草など、あたかも会議に参加しているかのような表情を動画で30秒録画し、その動画をZoomに取り込んで、Zoom背景として使用することができる、というもの。録画している最中 、「メモをとる仕草をして!」などと演技指導をしてくれる粋な計らいも。30秒の尺は、「冷蔵庫からビールを取りに行くのに要する時間」だそうです。ビデオ会議が爆発的に普及した当初はどのブランドも独自のZoom背景を作ってファンに提供していましたが、もう一歩先を行ったCoors Lightのアイデアに少し笑えます。

4月に公開した#Coulduseabeer(#ビールが必要)キャンペーンにもつながっているので、その動画も合わせて、ご紹介!

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コピー>独立戦争を戦うのは正直、最悪である。でも、ジョージ・ワシントンが兵士たちをどうやる気にさせたか知っているかい?それは、兵隊の元に必ずビールがあるようにした。世界大恐慌は?振り返ると、それも結構最悪な状態だったね。でも、その時、どうしたか、知ってる?禁酒法の終わりを要求した。なにか解決できた?もちろん解決はしない。でも、突き進む原動力となった。そして、今日。歴史的にみて、最悪、さいあく、サイアク。これで何かが解決できるとは思わないけど、ビールをどう?ツイッターで@CoorsLightにビールが必要な人をシェア。ビールをお届けします。歴史から何かを学ぶとしたら、それは、時には、ただビールが必要な時がある、ということ。

深刻にならない軽やかなトーンに好感が持てますね。

 

New York Public Library | Missing Sounds of New York

世界一忙しい街で知られるニューヨークはいま、見違えるほど、静かで不気味、と言われています。そこで、ニューヨーク公共図書館が公開したのは、今までの活気溢れるニューヨークの日常的な環境音を収録した「Missing Sounds of New York(ニューヨークから消えた音たち)」というアルバム。

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トラックごとに情景は変わり、一つ一つのトラックに小さなストーリーが描かれています。「ニューヨーカーへ向けたラブレター」として公開されたのですが、ニューヨーク市民であれば、とてつもなく愛おしく感じますね。

 

音ネタでもう一つ、番外編でご紹介するのが、広告代理店Wunderman Thompsonが公開した広告代理店の朝9時から夜5時までの環境音を収録した8時間のアルバム「Isolation Station(隔離ステーション)」です。Macが立ち上がる音、同僚たちのちょっとした日常会話、メールの着信音、エレベーターが開く音。リモートワークで寂しく一人で仕事をしているあなた、もしくは、海外で働く雰囲気に包まれたいあなたへおすすめ!

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Airbnb | Online Experiences

コロナウィルスによって観光業が大きな痛手を負う中、Airbnbが提供しはじめたのは、Airbnb Online Experiencesです。宿泊サービスで知られるAirbnbですが、2017年末から宿泊だけでなく、旅先で楽しむローカル体験「Airbnb Experiences」の提供を開始しました。そして、旅行ができなくなった今、世界各地のホストが提供する体験をオンライン上で楽しむことができるように!

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アルゼンチンから届けられるラテンコンサートや、イタリアで行われるパスタ作りのクラスなど、パソコン一つで世界を旅することができます。1人で予約し、世界各地の人々と一緒に体験するのも良し!グループで体験を貸切って、会えない友達や家族と交流するのも良し!

最初のコピー>今年の3月、世界中のホストたちは、最も大好きなことを諦めざる得なかった。なので、彼らは新しいことを試してみた。

最後のコピー>私たちを結びつける新しい道を見つけてくれたホストたちへ、ありがとう。Airbnb Experiencesを今、オンラインで。

Airbnbの動画って、毎回見て思うのですが、Empathy(エンパシー)の注入レベルが絶妙ですね。ブランドDNAにしっかりとエンパシーが組み込まれているのが動画を見るだけで伝わってきます。そして 、エンパシーの訳にいつも困ります...。

Empathy:共感・思いやり・他人の気持ちや感情を理解すること

 

人と人との新しいつながり方、関わり方がいろいろと試行錯誤される中、結局シンプルにスクリーンを通さず生身で会いたい、バーチャルじゃなくて実際に行きたい、というどんなテクノロジーでも解決できない人間らしい欲求が今後さらに高まっていくのではないかな、とふと思う児玉でした。

Until next time! Stay safe!