GLOBAL CREATIVE TRIP

海外のブランド事例やクリエイティブトレンドをいちはやくレポート

SXSW2019 アートプログラム

SXSWはただのカンファレンスではなく、他のカンファレンスと異なるのが様々な分野が集結、converge(コンバージ)する、という点です。元々音楽祭から始まっているからでしょうか。音楽、映画、テクノロジー、デザイン、アート、エンタメ、ゲーム、教育、コミュニケーションなどなど、様々な方面からの人々が集まり、アイデアを共有するハブとなっています。

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メイン会場であるオースティンコンベンションセンター

展示会場だけでなく、町全体がフェスティバル会場となり、SXSWの楽しみ方としては町を歩くだけで多彩なアクティベーションに出会うことができる、というもの。そんな今日、お目当てのカンファレンスが満席で入れなく、途方暮れていたところで発見したSXSWのアートプログラムからの作品展示のご紹介です。アートプログラムとは、テクノロジーを用いてクリエイティビティやイノベーションを刺激させる世界各国からの作品をSXSWの様々な場所で展示する、というものです。

今日たまたま通りがかりに発見したのが、オーストラリアの公共放送局であるSBSが発表したBelongings(持ち物)という作品です。エモーショナル、かつ、インタラクティブストーリーテリングを通して、世界中で起こっている移民問題に着目しているこの作品は、実際、オーストラリアに移民してきた6名の男女に「すべてを故郷に置いてきた中、唯一持ってきたものとは?」と問いたもの。

 

部屋の片側の壁に、6名の男女が座っている映像がプロジェクションされており、自分のスマホを指定のWifiにつなげると、スマホポインターとなります。

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映像とスマホをつなげて体験

そのポインターを使って、6名のうち、1人をセレクト。セレクトされた人が立ち上がり、故郷から持ってきた大切な持ち物の1つをスマホ上で流れる音声を通して教えてくれる、というもの。

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モノクロだった人たちが、セレクトするとカラーになり、立ち上がる

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スマホに映る画面

 

仕組みはシンプルでありながら、エレガントであり、文字ではなく音声を使っているため、暖かさ、親密さを感じるものでした。

ちなみに今年のSXSWのイノベーションアワードのソーシャルインパクト部門のファイナリストにも選ばれた作品でした。