GLOBAL CREATIVE TRIP

海外のブランド事例やクリエイティブトレンドをいちはやくレポート

Happy Holidays! 海外広告事例

波乱な2020年も、あと1ヶ月で幕が下がろうとしています。先週アメリカでは感謝祭も祝われ、このまま一気にホリデイシーズンへと突入!となります。

いろいろとあったこの1年間、各ブランドはどのようなホリデイ広告で1年の終わりを飾ろうとしているのでしょう。スーパーボウルを除き、海外ブランドが一番力を入れるホリデイ広告。話題となった広告をいくつか、ご紹介いたします!

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YouTubeよりスクリーンキャプチャ

 John Lewis & Partners | Give A Little Love

ホリデイ広告の定番といえば、イギリスの百官店チェーンのジョン・ルイス。2007年からホリデイ広告を公開しはじめてから、イギリス人にとって、冬の風物詩となっています。カンヌライオンズ広告賞の常連ともなっています。

今年の広告は 、ストップアニメーション監督のクリス・ホープウェル、パペットアーティストのアンディ・ジェントを含む8名のアーティストによって作られたアニメーションと実際を組み合わせた作品となります。毎年、CMソングが注目されるのですが、今年は、イギリスNo.1の新人歌手セレステが書き下ろした新曲「A Little Love」を起用。さまざまな手法のアニメーションで繰り広げられる動画で伝えたいメッセージは、Give a Little Love(愛を少し分け合おう)というもの。

特設ウェブページでは、寄付活動を行なっており、このホリデイキャンペーンで400万ポンドの寄付を募ることを目標としています。さらに100万ポンドは、困っている家族をサポートするFareShareとHome-Startというチャリティ団体に寄付される、という。

 

Xfinity | The Greatest Gift

ケーブルテレビ、ネットプロバイダであるXfinityのホリデイ広告は、コロナネタをふんだんに盛り込んだもの。2020年は、みんなが苦労をした年。それを知っているサンタクロースは、通常のプレゼントでは物足りない、と考え、エルフたちにプレゼント案を募るところから、物語の幕開け。

1人のエルフが思いついたのは、「Togetherness(一体感)」というプレゼント。ホリデイを特別にする家族との思い出を詰め込んで届ける、というもの。家族との雪合戦、おばあちゃんの手料理の香り、おばさまによる頬つねり、おじいちゃんの繰り返し聞いたことのあるお話、子犬を家族に迎え入れる、などなど。

この広告の完成度をあげているのは、神経質にクリスマスイブを待つサンタクロース役をつとめる俳優スティーヴ・カレルの演技と絶妙な間合いの取り方です。

コピー:Togetherness. The greatest gift of all.

一体感。この上ない最高のギフト。

 

Apple | The magic of mini feat. Tierra Whack

今年のAppleのホリデイ広告はHomePod Miniを宣伝したもの。2018年にSpike Jonzeが監督したHomePod発売広告「Welcome Home」ほどの驚きはないですが、チャーミングな動画に仕上がっています。

ここで注目すべきはAppleのキャスティングです。まだ無名だったBillie Eilishを2018年のホリデイ広告に起用したり、アーティストの選抜に秀悦であるAppleが今年起用したのはティエラ・ワックという若手アーティスト。

Appleのホリデイ広告で未だに児玉のNo.1は2013年に公開されたMisunderstood(誤解)です。7年前と計算し、びっくり!ほっこり情緒的でありながら、しっかりと商品を広告しているところがあっぱれです!

 

Disney | From Our Family to Yours

ディズニーらしい、ノンバーバルでも伝わる祖母と孫のつながりを語る3分間の動画です。インハウスで制作され、26ヶ国に展開されたホリデイ広告です。

今年、Make-A-Wishというボランディア団体と40周年のパートナーシップを迎えるディズニーは、動画に出てくるミッキーマウスのぬいぐるみ(縫い跡あり)を販売。販売価格の25%をMake-A-Wishに寄付する、というキャンペーンも行なっています。また、動画に使われている楽曲はイギリス歌手Griffによる「Love is a Compass」というもので、楽曲のストリーミング、セールスも寄付されます。さらに、ソーシャルメディアで「#LoveFromDisney」というハッシュタグ付きで家族と祝う風景が投稿されるごとに、ディズニーから寄付される、という。

 

Coca-Cola | Christmas Commercial 2020

サンタクロースが運転するコカコーラのクリスマストラックも登場し、まさにコカコーラのクリスマス!今年で、なんとコカコーラがホリデイシーズンに広告を発表するのが100周年目、という記念すべき年なのだとか。

風力発電所で働く父は、妻と娘を置いて仕事に出発する。出発間際に娘から渡されたのは北極にいるサンタさんへの手紙。仕事の休憩時間に手紙のことを思い出し、壮大なスケール感で描かれた父の北極への旅となるのですが...。児玉的には、む、む、無理があるっ...!いまいち共感ができず、映像はすばらしいのですが、なかなかホリデイ広告に求めるキュンとした感じがなかったですかね...。

コピー:This Christmas, give something only you can give.

今年のクリスマス、あなたにしか送れないものを送ろう

 

今年のホリデイ広告で話題となった5つの広告をご紹介いたしました!どれが一番好きでしたか?まだコロナは収束しませんが、ほっこりホリデイ広告を見て、心を休めてみてはいかがですか?