GLOBAL CREATIVE TRIP

海外のブランド事例やクリエイティブトレンドをいちはやくレポート

ブランド体験 海外広告事例

オリンピックとパラリンピックも終わり、いつの間にかめっきり秋らしくなってきた今日この頃、皆さま、いかがお過ごしでしょうか。今回のブログでは、海外ブランドが提供しているブランド体験の事例をいくつかご紹介いたします。

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YouTubeよりスクリーンキャプチャ

ブランド体験とは、消費者とブランドの接点を通じて、ブランドの世界観を消費者に感じてもらう、というものです。「体験」という言葉がつくと、イベントやポップアップショップなどが、すぐに頭に浮かびますが、それ以外に通常の広告、ソーシャルメディアでのやり取り、店舗での対応などなど、ブランドと消費者の接点は限りなくあり、それぞれすべてがブランド体験となります。

今回はここ1ヶ月の中で面白い!と思ったブランド体験を3つ、ご紹介いたします。偶然にも3つとも食品ブランドであり、3つともパートナーシップが肝となっている事例となります。

Pokémon×OREO Limited Edition Cookies

9月8日にオレオがポケモンとのパートナーシップを発表。内容は、ポケモンのデザインが施された限定オレオパックの発売です。デザインは全部で16種類あり、ポケモンのコンセプト同様、ファンに16種類すべて集めることを促しています。オレオ曰く、ミュウのデザインが一番入手困難で、製造の数を限定したのだとか...。2019年に登場したオレオのブランドメッセージ「Stay Playful(いつまでも遊び心を)」とポケモンのストーリーにぴったりな施策となっています。ただ、集めたはいいが、その後、どうすれば良いのか、少し心配なのは私だけでしょうか。

上記のプロモーション動画はオレオだけで制作されたアニメーションで、レトロ感があって、また良いですね。

アウトドア広告でも一工夫されており、ヴェニスビーチでは8000個ものオレオの3Dレプリカを使用した巨大ビルボードも公開しています。

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AdAgeより

去年11月に公開されたカスタムオレオを作れるOREOiDに続き、消費者を巻き込む面白い施策ですね。

 

Lunchables×FAO Schultz

子どもの頃、食べ物で遊んではいけない、と教わりませんでしたか?その教えを覆すブランドがLunchables(ランチャブルズ)というアメリカで定番のランチパックです。アメリカで育った児玉もよくお世話になったのですが、中にはクラッカーやチーズ、ハムなどが入っており、重ねて、挟んで、乗っけて、好きなように食べれる、というのが特性です。最近のものを見ると30年前とは様子が違い、だいぶ豪華になっていますが...。ランチャブルズの新しいキャンペーン"Built to be Eaten(食べるために造られている)"とは、ランチャブルズを使って造形しよう、という食品ブランドによるレゴ的なノリなものです。子どもたちの想像力を活性化する目的があるようです。

また、FAO シュワルツというアメリカの老舗おもちゃ屋とパートナーシップを結び、ランチャブルズを使った造形キット3種類を1つ100ドルで販売。建築家になりたい子にはエッフェル塔キット、探検家になりたい子には宇宙船キット、生物学者になりたい子にはペンギンキットなど、憧れの職業別になっております。

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HeinzKraftホームページより

にしても100ドル!?1万円以上するキットには何が入っているのでしょうか。

①特定の造形物を作るためのランチャブルズ

②造形物を作るための説明書

③造形物の写真を撮るためのインスタントカメラ

④造形への興味を促進させるための3Dパズル

⑤キットのテーマに沿った1000ドル相当の旅行券

宇宙船のキットだと、宇宙センターのあるテキサスかフロリダへの旅行チケットが入っているので、100ドルだとお得!限定販売なのでキットを手に入れるのは難しいですが、#Lunchabuildsというハッシュタグを使って、独自のクリエーションをシェアするよう、呼びかけています。

 

Oscar Mayer | #WienermobileLyft

ウィンナーで有名な食品会社オスカー・マイヤーのブランドアイコンとも言える「ウィンナーモービル」とは、1936年にはじめて登場したホットドッグの形をした車です。現在6台のウィンナーモービルが販売促進を目的にアメリカ各地を走行しています。ウィンナーモービルの運転手は「ホットドッガー」と呼ばれ、1台につき2名が乗車可能のため、毎年12名、卒業見込みのある大学4年生から選考しているらしく、人生一度の体験が魅力的なのか、倍率はすごい高いらしいです...。

ウィンナーモービル自体、アメリカ各地を回り、ホットドッガーたちによるホットドッグの提供とブランドストーリーの伝達、というすばらしいブランド体験の事例となるのですが、今年の夏に行ったキャンペーンは、ライドシェアサービスのLyftと行ったもの。LyftでXL(大人数用)の車を予約すると、ひょっとするとウィンナーモービルがやってくるかも、というサプライズ企画です。ロス、シカゴ、アトランタ、ニューヨークの4都市で実施。1回は乗車してみたいですね。