毎年注目が集まるスーパーボウルの広告。
昨年はBLMやパンデミックで多くの人が心を痛め、DEI(多様性、平等性、インクルーシブ)やヒュマニティーをテーマとした広告が目立った年だったと思います。
未だ新型コロナウィルスは終息はしていないものの、ワクチンも普及し今年はガラリと変わり仮想通貨や旅行関連企業なども参加し、未来に向かってイケイケドンドンな印象を受けました。
その中でも、特に今年らしいと感じた広告をいくつかご紹介したいと思います!
【BUD LIGHT:新商品とNFTコレクションをリリース】
今年は4分間のCM放映権を獲得したアンハイザー・ブッシュ。
その中でも印象的だったのが新商品で糖質ゼロビールのBUD LIGHT NEXT。
軽やかなテンポの音楽に合わせ、今いる窮屈な環境や状態から抜け出し新しい世界に飛び込み今と昔を表現。
NFTアートのNOUNS DAOともパートナシップを組み、絵画がデジタルアートに変化するシーンではNOUNSのアイコニックなメガネも登場、ラストのライブシーンはメタバースを連想したりと、なんとも今年らしい広告。
他にも初のNFT コレクションBud Light N3XT Collectionもリリースしたり、実際にメガネも作ってBud Light N3XT NFT所有者にはメガネのプレゼントも行い、とにかくデジタル祭りでした!
ストーリー
昔人気者だったアニマトロニクス(機械仕掛け)のバンドが時代につれて人気は衰え、お店は閉店、バンドは解散。廃棄される寸前で拾われたアニマトロニクスの犬は宇宙センターへ。そこで少年に装着されたVRヘッドセットMeta Quest 2で昔の仲間に再会し、再び観客も動員して昔パフォーマンスをしていたステージと同じステージがメタバースで蘇ると言ったストーリー。
CMに登場するメタバースは実際に存在するMetaのVRプラットフォーム Horizon Worldsで、2021年の12月に一般提供が始まったばかり。
虚構とリアルが混ざったCMになっていますが、どこまでを虚構の世界と考えるかは見る人によって異なる気がします。
ストーリーに合わせてSimple Mindsの“Don’t You (Forget About Me)”がCM内で流れていましたが、リアルタイムで放映されたCMの最後ではFoo Fightersのチケットが。
これはスーパーボウル放送終了後にMeta Questが実際に開催したFoo Fightersの無料ライブ。
Meta Quest 2を持っている人なら VRでライブを楽しむ事が出来、チケットにFRONT ROW IN VRと書いてあるように、最前列でライブを観れるのもVRならでは。
ライブの様子はfacebookのMeta Questでアーカイブ化されており、Horizon Venuesにいる観客の様子なども映しています。
【仮想通貨関連企業も多数参加】
今年は多くの仮想通貨関連企業がスーパーボウルのCMに参加。
その中でも、今年一番シンプルかつインパクトが強かったのがCoinbaseのCM。
真っ黒な背景にカラフルなQRコードがビデオゲーム音楽と共に浮遊するというCMだったのですが、2月15日までにCoinbaseに加入した人全員に15ドルのビットコインをプレゼントとするキャンペーンを行い、スーパーボウル放送中はサイトにアクセスが集中し、アクセストラブルも発生する事態に。
アプリダウンロードのランキングも168位から2位へ急上昇。
【Hellmann's フードロス 問題】
家庭で発生する食品の廃棄がフードロス の40%を占めていると言われており、ヘルマンズは昨年に続きフードロス問題をテーマにしたCMを放映。
今年はマヨネーズにちなんで、伝説の元ラインバッカーのJerod Mayoを起用。
食べ物を捨てようとする人にタックルをし、マヨネーズを使ったアレンジ料理を教えて残った食べ物をすぐ捨ててしまうことに注意喚起をしています。
ヘルマンズのウェブサイトでは、シェフのホセ・アンドレス やユーザーからの投稿による冷蔵庫のあまり物とマヨネーズを使った様々なアレンジレシピを紹介。
冷蔵庫のあまり物を活用することで環境や経済的にも優しいだけでなく、料理の腕も上げることも狙いとしています。
【GM:世界一の悪「気候変動」】
GMは昨年に続き、EV(電気自動車)を紹介。
1997年~2002年にヒットした映画「オースティンパワーズ」の懐かしのキャストが大集合!
世界一の悪が気候変動と知り、悪の帝王のDr.EVILが二位の悪である事に気が付き、自動車をEV化して地球を守ってから地球を乗っ取ろうというストーリー。
EV(電気自動車)とEVIL(悪)を上手くかけており、気候変動により電気自動車へシフトしている流れもわかりやすく説明しています。
ちなみに昨年のGMのCMでは1991年にヒットした映画「シザーハンズ」のキャラクターが登場。昨年に続き、GMだけでなく昭和生まれにはグッとくる懐かしい映画のオマージュ作品が多く、来年も楽しみです!
以上になります。
いかがでしたか?
パンデミックによってデジタル化が急速しデジタル化を感じる広告が多かった今年のスーパーボウル。
同時にサステナビリティをテーマにした広告も多く、デジタルとサステナビリティは今後も私たちの生活を考えるのに必要な要素だと思います。
(執筆:高嶋)