あっという間に8月に突入!
夏も後半ではありますが・・・カンヌの受賞作品をご紹介したいと思います。
まずは、美に関する社会問題にフォーカスしたダヴの広告作品。
ダヴの自己肯定感を高めるプロジェクトは2004年からReal Beauty プロジェクトで始まっていますが、昨年からLet's Change Beautyに名前を変えており、新たなミッションを発表しています。
そしてLet's Change Beautyのシリーズの2作品がカンヌで今年受賞をしました。
2作品の内、1作品は昨年公開され話題になったReverse Selfie 。
加工によって奪われる自己肯定感の問題を伝えています。
もう1作品は今年発表された第二弾のToxic Influence。
ソーシャルメディアでよく見かけるビューティーに関する情報を女の子たちの母親が語っているように見せたディープフェイク映像が流れ、美に対する誤った情報が蔓延っている問題を唱えてた作品です。
www.youtube.com
ビューティー関連の投稿であれば危険じゃないから大丈夫と思っていても、内容によってはバイオレンスなコンテンツと同じ位危険であり、「うちの子は大丈夫」と思っている親に対して警鐘を鳴らしています。
そしてそれぞれのキャンペーンの反響ですが、どちらの作品も多くの人の心を動かし、Reverse Selfieでは自己肯定感を高めるセルフエスティームプログラムツールキットのダウンロードが公開後に+2650%上昇。
Toxic Influenceも公開10日で60か国以上のメディアで取り上げられました。
ちなみにToxic Influenceは4分近い映像で少し長いですが、2013年のReal Beauty Sketchesのドキュメンタリー作品と同様、素晴らしい作品です。
母親の泣きそうな顔を見るのはいくつになってもウルッときてしまい、子供ながらに(って立派な大人ですが)、泣かせてごめんなさい!と思います。
次に紹介する作品ではちょっとした心理ゲームを。
Health & Wellness部門でブロンズ賞を獲得したマルチビタミンのSupradynの記憶力テストに是非チャレンジをしてみてください!
テストの内容
映像をご覧いただき、お題に合わせて最初に頭に浮かんだ人物の名前を思い浮かべてください。
【Supradyn "Memory Test"】
8名思い浮かべられたでしょうか?
それでは、ここからが本題!
8名の名前を覚えられた方は何名が女性でしたか?
そう、これはただの記憶テストではありません。
最後の質問にジェンダー格差に気付かされ、私は8人中3人のみが女性でした。
更に悲しい結果だったのが、テストの意図をわかった状態で再度トライしてみたところ、私の場合は結果が変わらなく特定の職種ではまだまだジェンダー格差を強く実感したテストでした。
記憶テストに見せかけたこのキャンペーンは今年の国際女性月間の時に公開され、18万人にテストを行っています。
その結果、87%が2人またそれ以下が女性と回答し、無意識な偏見やジェンダーバイアス問題の解決にはまだまだ時間がかかりそうです。
そして最後はもう少し楽しくなるゲームで締めたいと思います!
映像のタイトルで完全ネタバレしていますが、「ケチャップを描いてください」。
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ご覧いただいた通り、HEINZが18か国で「ケチャップを描いてください」という実験を行っています。
1人だけ予想外の回答をして不正解でしたが、それ以外は全員HEINZケチャップを描いており面白い結果だったと思います。
今回カンヌでは環境問題だったり、様々な社会問題を取り上げており、消費者と共に問題に取り組み解決していく広告が多かったですが、HEINZの様な消費者にブランドを再認識してもらうキャンペーンもブランドとして大切に感じます。
今回、前回の投稿より期間が空いてしまいましたが次回は期間を空けずにまた興味深い広告を紹介したいと思います!
執筆:高嶋