GLOBAL CREATIVE TRIP

海外のブランド事例やクリエイティブトレンドをいちはやくレポート

カンヌセミナー2016 Day 5

本日、カンヌ5日目を向かいました。
やっと折り返し地点というところでしょうか。
一気に押し寄せてくる情報に圧倒されつつ、溺れつつ、5日目に受けたセミナーのご紹介を!

本日は、個人的に毎年楽しみにしているR/GAのセミナーのお話をちょこっと。

今年のテーマは、
「Creating the Office for the Connected Age(つながりの時代のためのオフィス創造)」

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R/GAは今年頭に、30年間滞在したニューヨークの本社へさよならを告げ、
新しいオフィスへ移転し、オフィス改革を行いました。

<オフィス改革の主な理由>

▪️リクルーティング
広告業界からだけでなくテクノロジー業界からも、
優秀な人材が「R/GAで働きたい!」と思われるような環境づくり。

▪️一体化
社員数の増加に伴い、ニューヨーク内で4つに分散したオフィスを1つにまとめること。
マンハッタンでワンフロアの敷地が最も広いビルを選び、
950名の社員をそのビルの2階分へとごっそり移動。
(ワンフロアの敷地はなんとサッカー場1個分!)

▪️コラボレーション
社員同士のコラボレーション、カジュアルなコミュニケーションを活性化するよう、
11階・12階に位置するオフィスの入り口は12階のみで、
社員は強制的に12階のメインエントランスを通るようになっている。

▪️海外とのコラボレーション
世界で10カ国、16オフィスが存在する中、簡単にどの国と誰とでも簡単につながれる環境づくり。

▪️フィジカルとデジタルの融合

新オフィスのコンセプトは
Office for the Connected Age
テクノロジーによって、フィジカルとデジタルの境界線がなくなりつつあり、
コネクテッドカー、コネクテッドホーム、コネクテッドクラスルームなど、
すべてがデジタルにつながっている時代に、未だにないコネクテッド・オフィスの必要性をボブ・グリーンバグは感じ、R/GA史上、最も大きな社内プロジェクトへと踏み出した。

しかし、何をもってコネクテッドというのか?

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▪️オフィス専用のアプリを開発。
オフィス内に仕込まれたビーコンから、位置情報が特定され、
位置によって、アプリ内で紹介されるコンテンツが変化する。
例)NIKEの仕事をしているグループが働くスペースに行くと、
クライアント情報、最近のジョブなどの情報がアプリ内で確認できる。

▪️オフィスの照明はKetraというスマート電球を使用。
自然な太陽光を再現し、時間帯・季節に応じて、明るさ、色温が変化する。

▪️オフィスの天井からは巨大モニターが30個、配置されており、
モニター近くにいるチームがどのような仕事をしているのか、
最新のワークスをモニターで確認できるようになっている。

上記3つは、ほんの一部であり、新しいオフィスには40のイノベーションが使われているのだとか。
ゴールは、100に増やすこと、だそうです。

オフィス全体がラボとなっており、新しいテクノロジーを試す場となっている。
なので、オフィスは常に変化、進化していく、という。
なお、徐々に他16箇所あるR/GAのオフィスもコネクテッドオフィスにしていく予定である。

このオフィス改革の説明でもっとも興味深かったのが、
「このオフィス自体がプロトタイプである」という発言。

というのも、今後、R/GAは、フィジカルとデジタルを融合するスペースデザイン、
「Connected Space」というサービスを提供しはじめることを最後に発表。
この"スペース"とは、オフィスにとどまらず、店舗スペースなども含む。
すでに4つのブランドから発注を受けているそうです。

この新しいオフィスはそのサービスのプロトタイプだったようです。

常に新しいことに挑んでいるR/GAのセミナーでした。

ざっととなってしまいましたが、
本日はこんなところで。

Bonne Nuit!