GLOBAL CREATIVE TRIP

海外のブランド事例やクリエイティブトレンドをいちはやくレポート

2023年幕開け!2020年以降の心の変化を広告で振り返る

12月に入ったと思ったらもう年の瀬!と毎年12月のスピードの早さに驚き、更新が年明けになってしまいました。
もはや新年の挨拶も今更ですが、、、みなさま明けましておめでとうございます!!

世界的に色々あった、いや、あり過ぎたと言える2022年でしたが、みなさんにとってどんな1年でしたか?
Googleでは毎年12月に今年の検索トレンドを発表し、世界中の人が何を検索したか知る事ができますが、2020年以降は特にその時代を色濃く反映しています。

それでは過去3年間をGoogle の広告と共に遡ってみましょう!

Google 広告 "Year in Search" 2020~2022年作品( YouTubeよりスクリーンキャプチャ)

2020年 Why

新型コロナウィルスをはじめ、ジョージ・フロイド事件、気候変動など世界中で起きていることに理由や原因を探るWhy。
2021年 How
ワクチンの普及も始まり、明るさを取り戻しはじめたものの、肉体的にも精神的にも弱った人が多く、癒す方法を求めた努力のHow。
2020年と2021年は暗黒な時代の中で希望を見出す努力をしていた2年間と言えます。
 
個人的には2021年が「うんうん、本当に辛かった。私たちみんな本当に頑張りました。」と抱き合い讃えあいたくなる一番エモーショナルな作品でした。
そして2022年 "Can I change?"
Googleが発表した2022年のテーマは"Can I change"でしたが、1年を振り返るとショッキングな事件があまりに多く、2022年もWhyやHowと世界に問う年でした。
ただ、幸せに向かって今までの習慣を変えたり自由と変化を求めるという傾向があります。
 
2020年も変化の年でしたが、2020年は必然的に変化を求められた年で、2022年は自ら変化を望む始動の年でした。
制限と停滞が続いていた生活から徐々に解き放たれ、
I CAN CHANGE!と心の中で叫んでいた人も多いのではないでしょうか。

Google 広告 "Year in Search 2022" YouTubeよりスクリーンキャプチャ

ワールドカップ2022年

ワールドカップが開催しました!

開催前は人権問題や開催時期などさまざまな問題が報道され、「あれ、盛り上がってない・・・?」と思っていましたが、大会開始後は日本がドイツに初勝利を収めたり、日本のサポーターがゴミ拾いをしている様子がSNSや海外メディアで紹介されるなど良いニュースも。
ちなみに日本サポーターのゴミ拾いは2014年のブラジルW杯でも行われており、ブラジル現地では話題になっていましたが今回ほど大きく取り沙汰されてなく、この8年間でのSNSでの拡散力を実感しています。

一方、開催直前のハプニングニュースではスタジアムでのアルコール販売を約束されていたはずが大会開始直前で禁止にイスラム教徒が多いカタールでは酒類の販売が厳しく制限されており、それ故議論を重ねて販売ができたはずなのに・・・まさかのどんでん返し。

BudweiserのTwitterよりスクリーンキャプチャ

当然一番困ったのはワールドカップのスポンサーで独占販売の権利を得ていたバドワイザー
"Well this is awakward(これは気まずいな・・)"とtweetしていましたが、翌日には大量のビールが積まれた倉庫の画像と一緒に、
「新しい日、新しいツィート。優勝国にはバドワイザーが手に入る。誰が手に入るだろうか?」と投稿しています。

そんな、とほほ・・・なニュースなばかりではなく、今回はBudweiserや話題になったワールドカップ広告を紹介したいと思います!

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バーチャルワールドでの美の表現について

今年も残すところあと2ヶ月!
もうすっかり秋ですが今年の夏の話をすると、家族に「見過ごせないレベル・・・」と言われる程、夏休み中にこんがり日焼けをしました。
当然、今まで使っていたファンデーションだと白浮きしてしまうので、急いでオンライン上でメイクを試着できるVIRTUAL TRY ONでファンデーション探しの旅へ。
つい最近まではARレンズで楽しむバーチャルメイクは不自然で、「フェイクと分かるくらいが逆に面白い」という感覚で撮影して楽しんでいたものが、今ではとても自然で実用的に変化。

提案されるシェードもバッチリでそのままオンラインで購入も考えましたが、店員の方からアドバイスを頂きたいのもあり、店舗で最終的には購入。

オンラインで購入したいオンライン派、店舗で購入したいフィジカル(リアル)派、オンラインとオフラインを両方を組み合わせて購入したいフィジタル派など、買い物の仕方も多様化されたことを身を持って体験しました。

The INKEY Listのウェブサイトよりスクリーンキャプチャ

もう一つ最近感動したオンラインサービスはイギリス発のスキンケアブランドThe INKEY Listでのライブチャット機能です。
The INKEY LISTはオンリーショップを持たず、SephoraやBootsなどの化粧品専門店で販売がされている為、店舗に専門スタッフはいませんが質問があればライブチャット機能を活用ができます。
しかもAIではなくThe Inkey Listのスタッフが答えてくれ、レスポンスの早さにも感動しました。
日本にはThe INKEY Listの取り扱いがない為、私の場合は実際に店舗に行きライブチャットを体験したわけではないですが、日本からライブチャットを何度か利用し、その度にすぐ返答がきたので「今イギリスは深夜では・・・?」と質問したところ、ヨーロッパ、北米、オーストラリアにスタッフがいるので24時間いつでも応答が可能と話していました。
The INKEY Listは2018年に設立したばかりのブランドですが、VOGUE BUSINESS の記事によると今年は売り上げが1億ドルに達する見込みとも言われており、ライブチャット機能以外にも肌悩み別にオンラインコーチがおり、無料オンラインコンサルを申し込めるなど顧客へのサービスが充実しているので急成長にも納得です。

と、、少し自分の体験談が長くなりましたが、、今回はバーチャルでのビューティー事情について3ブランド紹介したいと思います!

① Dove "Real Virtual Beauty"・・・ゲームにおける女性像の偏見をなくす

CLINIQUE x DAZ 3D “A METAVERSE MORE LIKE US”・・・NFTを通じてアバター女性の多様化

③ NYX Professional Makeup "GORJS"・・・3Dメイクアップアーティストを支援

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今求められているウェルネスとは。

パンデミック以降、生活スタイルは大きく変わり、加速するデジタル化に息切れしながら駆け抜けてきた2年間。

常にオンラインで繋がっている状態ではありながらも、同時に孤独も感じる人も少なくないように感じます。

トレンド予測会社のWGSNが発表した未来の消費者を予測する「フューチャーコンシューマー2024」のレポートでは、混乱した感情と常にONのライフスタイルで限界に達してしまう感覚をOverstimulation(過剰刺激)と呼んでおり、ウェルネスへの消費者の関心はより一層高くなっています。

企業やブランドもまたウェルネスへ取り組んでおり、今回はウェルネスをテーマにした広告作品や取り組みをご紹介したいと思います。

 

Heineken "The Closer"

今年のカンヌライオンズでアルコールブランドの中で今年最多受賞したハイネケン

カンヌのトークセッションではパンデミック以降、様々な変化にどのように対応してきたか事例と共に説明していたのですが、特に面白い企画だったのが、"The Closer"!

The CloserはBluetooth 機能搭載の栓抜きで、仕事のアプリをBluetoothで接続すると栓抜きを使った時にスリープ状態になってしまうというもの!

そのCMがこちらになります。


www.youtube.com

流石にバーにパソコンを持ち込んで仕事はしないものの、オフィスから離れてバーチャル背景でマルチタスクをしながらMTGをしている様子は誰もがあるあると頷いてしまうのではないでしょうか。

この強制ビアタイム栓抜きは6月8日にアメリカのギブアウェイグッズ(販促物)として展開され、カンヌのトークセッションでもヨーロッパでの展開予定はないのか?、という質問も出ており、ワーカホリックの人たちのハートをグッと掴んだデバイスでした。

Heineken公式ウェブサイトより

ただ、このThe Closerとデバイス(栓抜き)は面白さを追求して作られたわけではありません。
パンミック以降働き方が変わり、「どこでも働ける」「常に働いている」状態に陥ることもあり、The Closerはそんな世の中の変化と消費者の抱える新たなメンタルヘルス問題に着目して作られました。
アメリカのハイネケンでは社内にも働きかけており、カレンダーの就業時間の最後に"work-blocking meeting"を入れることで、仕事を入れず就業後に同僚や友人達とのハッピアワーを楽しむことができます。
しかも嬉しいのがwork-blocking meeting で集まった同僚や友人たちにもそれぞれに5ドルが会社から支払われる(上限20ドルまで)という制度つき!

YouTubeよりスクリーンキャプチャ

ちなみにコロナ禍でのハイネケンの広告メッセージは、
#SocialiseResponsibly「責任を持ちながらソーシャライズ(交流)をしよう」でしたが、ポストコロナの今回はワークライフバランスを見つめ直すというメッセージを意味する#WorkResponsiblyです。
The CloserのCMやWork-blocking meeting制度は、正に#SocialiseResponsiblyと#WorkResponsiblyの両方が上手に組み合わさっていますね。

NIVEA MEN & LIVERPOOL FC "Never Alnoe"


www.youtube.com

次に、紹介したいのがリバプールFCとパートナーシップを組んでいるNIVEA MENの最新広告。
イギリスの少年たちのメンタルヘルスに着目した作品になります。

"You'll never walk alone"の歌詞と同じ言葉で語りかける少年たち、そして映像の後半では「メンタルヘルス問題の50%は14歳を迎える前に始まっている」という情報が流れます。

"You'll never walk alone"はリバプールFCのアンセムであり、歌詞を通して悩みや問題を1人で抱えず寄り添うことや仲間の大切さを伝えています。

男性にフォーカスしたメンタルヘルスや心の悩みの広告は他にもAXEで2017年に制作され、男性向けの広告で描かれがちな男性像や固定概念を打ち壊しています。

 

LEGO x EPIC GAME

Epic Game 公式HPより

最後にご紹介したいのがLEGO

LEGOは今年EPIC GAMESとの長期的なパートナーシップ契約を発表。

今のところパートナーショップが組まれた事が発表されただけで具体的な内容は明らかになっていませんが、子供たちに安心で安全なメタバース(metaverse)ならぬベタバース(betterverse)を計画中!
メタバースが注目されている一方、多くの企業やブランドはソーシャルメディアで生まれた自己肯定感の低さやメンタルヘルス問題をメタバースでも繰り返さない事を目指しています。
LEGOも同様、子供たちへ安全なメタバースを提供できるようEPIC GAMEとのパートナーシップを組んだと説明し、3つの原則を発表しています。

・安全でウェルビーイング(健康)を優先することで、子供たちの遊ぶ権利を守る。

・子供たちのプライバシーを守ることで子供たちの利益を一番に考える。

・デジタル体験をコントロールできるツールを使用して、子供たちと大人たちに力を与える。


以上、今回は3社のウェルネスの取り組みについてご紹介させて頂きました。

現在web 2.0からweb 3.0移行中の時代と言われており、組織や生活様式が変化していく中で、簡単、利便性、スピード、安心、安全、アクセスビリティなど求めるものを挙げたらキリがないですが、新しい何かを取り入れる際は自分にとって健康に繋がるかどうかウェルネスを意識して選択していく事がますます重要になってくるように感じます。

 

執筆:高嶋

CANNES LIONS受賞作品を紹介!

あっという間に8月に突入!

夏も後半ではありますが・・・カンヌの受賞作品をご紹介したいと思います。

YouTubeよりスクリーンキャプチャ

まずは、美に関する社会問題にフォーカスしたダヴの広告作品。
ダヴの自己肯定感を高めるプロジェクトは2004年からReal Beauty プロジェクトで始まっていますが、昨年からLet's Change Beautyに名前を変えており、新たなミッションを発表しています。

そしてLet's Change Beautyのシリーズの2作品がカンヌで今年受賞をしました。

Dove公式ウェブサイトより

2作品の内、1作品は昨年公開され話題になったReverse Selfie
加工によって奪われる自己肯定感の問題を伝えています。

もう1作品は今年発表された第二弾のToxic Influence。

YouTubeよりスクリーンキャプチャ

ソーシャルメディアでよく見かけるビューティーに関する情報を女の子たちの母親が語っているように見せたディープフェイク映像が流れ、美に対する誤った情報が蔓延っている問題を唱えてた作品です。


www.youtube.com

ビューティー関連の投稿であれば危険じゃないから大丈夫と思っていても、内容によってはバイオレンスなコンテンツと同じ位危険であり、「うちの子は大丈夫」と思っている親に対して警鐘を鳴らしています。

そしてそれぞれのキャンペーンの反響ですが、どちらの作品も多くの人の心を動かし、Reverse Selfieでは自己肯定感を高めるセルフエスティームプログラムツールキットのダウンロードが公開後に+2650%上昇。
Toxic Influenceも公開10日で60か国以上のメディアで取り上げられました。

ちなみにToxic Influenceは4分近い映像で少し長いですが、2013年のReal Beauty Sketchesのドキュメンタリー作品と同様、素晴らしい作品です。
母親の泣きそうな顔を見るのはいくつになってもウルッときてしまい、子供ながらに(って立派な大人ですが)、泣かせてごめんなさい!と思います。

次に紹介する作品ではちょっとした心理ゲームを。

Health & Wellness部門でブロンズ賞を獲得したマルチビタミンのSupradynの記憶力テストに是非チャレンジをしてみてください!

テストの内容
映像をご覧いただき、お題に合わせて最初に頭に浮かんだ人物の名前を思い浮かべてください。

【Supradyn "Memory Test"】


www.youtube.com

8名思い浮かべられたでしょうか?
それでは、ここからが本題!

8名の名前を覚えられた方は何名が女性でしたか?

そう、これはただの記憶テストではありません。
最後の質問にジェンダー格差に気付かされ、私は8人中3人のみが女性でした。

更に悲しい結果だったのが、テストの意図をわかった状態で再度トライしてみたところ、私の場合は結果が変わらなく特定の職種ではまだまだジェンダー格差を強く実感したテストでした。
記憶テストに見せかけたこのキャンペーンは今年の国際女性月間の時に公開され、18万人にテストを行っています。
その結果、87%が2人またそれ以下が女性と回答し、無意識な偏見やジェンダーバイアス問題の解決にはまだまだ時間がかかりそうです。

そして最後はもう少し楽しくなるゲームで締めたいと思います!

映像のタイトルで完全ネタバレしていますが、「ケチャップを描いてください」。


www.youtube.com
ご覧いただいた通り、HEINZが18か国で「ケチャップを描いてください」という実験を行っています。
1人だけ予想外の回答をして不正解でしたが、それ以外は全員HEINZケチャップを描いており面白い結果だったと思います。

今回カンヌでは環境問題だったり、様々な社会問題を取り上げており、消費者と共に問題に取り組み解決していく広告が多かったですが、HEINZの様な消費者にブランドを再認識してもらうキャンペーンもブランドとして大切に感じます。

今回、前回の投稿より期間が空いてしまいましたが次回は期間を空けずにまた興味深い広告を紹介したいと思います!

 

執筆:高嶋

冬季オリンピック・国際女性デー 海外広告事例

東京でのオリンピックが終幕した、と思えばすぐに開幕していた北京での冬季オリンピックパラリンピック

東京2020が2021に後ろ倒しになっていたとはいえ、スパンが短くて不思議な感じがします。が、今回もしっかり北京オリンピック版のCMが制作されていました!

そして、パラリンピックの間にやってきた国際女性デー。

こちらも引き続き、各ブランドによるアクションが公開されています。

 

YouTubeからのスクリーンキャプチャ

 

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