GLOBAL CREATIVE TRIP

海外のブランド事例やクリエイティブトレンドをいちはやくレポート

今求められているウェルネスとは。

パンデミック以降、生活スタイルは大きく変わり、加速するデジタル化に息切れしながら駆け抜けてきた2年間。

常にオンラインで繋がっている状態ではありながらも、同時に孤独も感じる人も少なくないように感じます。

トレンド予測会社のWGSNが発表した未来の消費者を予測する「フューチャーコンシューマー2024」のレポートでは、混乱した感情と常にONのライフスタイルで限界に達してしまう感覚をOverstimulation(過剰刺激)と呼んでおり、ウェルネスへの消費者の関心はより一層高くなっています。

企業やブランドもまたウェルネスへ取り組んでおり、今回はウェルネスをテーマにした広告作品や取り組みをご紹介したいと思います。

 

Heineken "The Closer"

今年のカンヌライオンズでアルコールブランドの中で今年最多受賞したハイネケン

カンヌのトークセッションではパンデミック以降、様々な変化にどのように対応してきたか事例と共に説明していたのですが、特に面白い企画だったのが、"The Closer"!

The CloserはBluetooth 機能搭載の栓抜きで、仕事のアプリをBluetoothで接続すると栓抜きを使った時にスリープ状態になってしまうというもの!

そのCMがこちらになります。


www.youtube.com

流石にバーにパソコンを持ち込んで仕事はしないものの、オフィスから離れてバーチャル背景でマルチタスクをしながらMTGをしている様子は誰もがあるあると頷いてしまうのではないでしょうか。

この強制ビアタイム栓抜きは6月8日にアメリカのギブアウェイグッズ(販促物)として展開され、カンヌのトークセッションでもヨーロッパでの展開予定はないのか?、という質問も出ており、ワーカホリックの人たちのハートをグッと掴んだデバイスでした。

Heineken公式ウェブサイトより

ただ、このThe Closerとデバイス(栓抜き)は面白さを追求して作られたわけではありません。
パンミック以降働き方が変わり、「どこでも働ける」「常に働いている」状態に陥ることもあり、The Closerはそんな世の中の変化と消費者の抱える新たなメンタルヘルス問題に着目して作られました。
アメリカのハイネケンでは社内にも働きかけており、カレンダーの就業時間の最後に"work-blocking meeting"を入れることで、仕事を入れず就業後に同僚や友人達とのハッピアワーを楽しむことができます。
しかも嬉しいのがwork-blocking meeting で集まった同僚や友人たちにもそれぞれに5ドルが会社から支払われる(上限20ドルまで)という制度つき!

YouTubeよりスクリーンキャプチャ

ちなみにコロナ禍でのハイネケンの広告メッセージは、
#SocialiseResponsibly「責任を持ちながらソーシャライズ(交流)をしよう」でしたが、ポストコロナの今回はワークライフバランスを見つめ直すというメッセージを意味する#WorkResponsiblyです。
The CloserのCMやWork-blocking meeting制度は、正に#SocialiseResponsiblyと#WorkResponsiblyの両方が上手に組み合わさっていますね。

NIVEA MEN & LIVERPOOL FC "Never Alnoe"


www.youtube.com

次に、紹介したいのがリバプールFCとパートナーシップを組んでいるNIVEA MENの最新広告。
イギリスの少年たちのメンタルヘルスに着目した作品になります。

"You'll never walk alone"の歌詞と同じ言葉で語りかける少年たち、そして映像の後半では「メンタルヘルス問題の50%は14歳を迎える前に始まっている」という情報が流れます。

"You'll never walk alone"はリバプールFCのアンセムであり、歌詞を通して悩みや問題を1人で抱えず寄り添うことや仲間の大切さを伝えています。

男性にフォーカスしたメンタルヘルスや心の悩みの広告は他にもAXEで2017年に制作され、男性向けの広告で描かれがちな男性像や固定概念を打ち壊しています。

 

LEGO x EPIC GAME

Epic Game 公式HPより

最後にご紹介したいのがLEGO

LEGOは今年EPIC GAMESとの長期的なパートナーシップ契約を発表。

今のところパートナーショップが組まれた事が発表されただけで具体的な内容は明らかになっていませんが、子供たちに安心で安全なメタバース(metaverse)ならぬベタバース(betterverse)を計画中!
メタバースが注目されている一方、多くの企業やブランドはソーシャルメディアで生まれた自己肯定感の低さやメンタルヘルス問題をメタバースでも繰り返さない事を目指しています。
LEGOも同様、子供たちへ安全なメタバースを提供できるようEPIC GAMEとのパートナーシップを組んだと説明し、3つの原則を発表しています。

・安全でウェルビーイング(健康)を優先することで、子供たちの遊ぶ権利を守る。

・子供たちのプライバシーを守ることで子供たちの利益を一番に考える。

・デジタル体験をコントロールできるツールを使用して、子供たちと大人たちに力を与える。


以上、今回は3社のウェルネスの取り組みについてご紹介させて頂きました。

現在web 2.0からweb 3.0移行中の時代と言われており、組織や生活様式が変化していく中で、簡単、利便性、スピード、安心、安全、アクセスビリティなど求めるものを挙げたらキリがないですが、新しい何かを取り入れる際は自分にとって健康に繋がるかどうかウェルネスを意識して選択していく事がますます重要になってくるように感じます。

 

執筆:高嶋

CANNES LIONS受賞作品を紹介!

あっという間に8月に突入!

夏も後半ではありますが・・・カンヌの受賞作品をご紹介したいと思います。

YouTubeよりスクリーンキャプチャ

まずは、美に関する社会問題にフォーカスしたダヴの広告作品。
ダヴの自己肯定感を高めるプロジェクトは2004年からReal Beauty プロジェクトで始まっていますが、昨年からLet's Change Beautyに名前を変えており、新たなミッションを発表しています。

そしてLet's Change Beautyのシリーズの2作品がカンヌで今年受賞をしました。

Dove公式ウェブサイトより

2作品の内、1作品は昨年公開され話題になったReverse Selfie
加工によって奪われる自己肯定感の問題を伝えています。

もう1作品は今年発表された第二弾のToxic Influence。

YouTubeよりスクリーンキャプチャ

ソーシャルメディアでよく見かけるビューティーに関する情報を女の子たちの母親が語っているように見せたディープフェイク映像が流れ、美に対する誤った情報が蔓延っている問題を唱えてた作品です。


www.youtube.com

ビューティー関連の投稿であれば危険じゃないから大丈夫と思っていても、内容によってはバイオレンスなコンテンツと同じ位危険であり、「うちの子は大丈夫」と思っている親に対して警鐘を鳴らしています。

そしてそれぞれのキャンペーンの反響ですが、どちらの作品も多くの人の心を動かし、Reverse Selfieでは自己肯定感を高めるセルフエスティームプログラムツールキットのダウンロードが公開後に+2650%上昇。
Toxic Influenceも公開10日で60か国以上のメディアで取り上げられました。

ちなみにToxic Influenceは4分近い映像で少し長いですが、2013年のReal Beauty Sketchesのドキュメンタリー作品と同様、素晴らしい作品です。
母親の泣きそうな顔を見るのはいくつになってもウルッときてしまい、子供ながらに(って立派な大人ですが)、泣かせてごめんなさい!と思います。

次に紹介する作品ではちょっとした心理ゲームを。

Health & Wellness部門でブロンズ賞を獲得したマルチビタミンのSupradynの記憶力テストに是非チャレンジをしてみてください!

テストの内容
映像をご覧いただき、お題に合わせて最初に頭に浮かんだ人物の名前を思い浮かべてください。

【Supradyn "Memory Test"】


www.youtube.com

8名思い浮かべられたでしょうか?
それでは、ここからが本題!

8名の名前を覚えられた方は何名が女性でしたか?

そう、これはただの記憶テストではありません。
最後の質問にジェンダー格差に気付かされ、私は8人中3人のみが女性でした。

更に悲しい結果だったのが、テストの意図をわかった状態で再度トライしてみたところ、私の場合は結果が変わらなく特定の職種ではまだまだジェンダー格差を強く実感したテストでした。
記憶テストに見せかけたこのキャンペーンは今年の国際女性月間の時に公開され、18万人にテストを行っています。
その結果、87%が2人またそれ以下が女性と回答し、無意識な偏見やジェンダーバイアス問題の解決にはまだまだ時間がかかりそうです。

そして最後はもう少し楽しくなるゲームで締めたいと思います!

映像のタイトルで完全ネタバレしていますが、「ケチャップを描いてください」。


www.youtube.com
ご覧いただいた通り、HEINZが18か国で「ケチャップを描いてください」という実験を行っています。
1人だけ予想外の回答をして不正解でしたが、それ以外は全員HEINZケチャップを描いており面白い結果だったと思います。

今回カンヌでは環境問題だったり、様々な社会問題を取り上げており、消費者と共に問題に取り組み解決していく広告が多かったですが、HEINZの様な消費者にブランドを再認識してもらうキャンペーンもブランドとして大切に感じます。

今回、前回の投稿より期間が空いてしまいましたが次回は期間を空けずにまた興味深い広告を紹介したいと思います!

 

執筆:高嶋

冬季オリンピック・国際女性デー 海外広告事例

東京でのオリンピックが終幕した、と思えばすぐに開幕していた北京での冬季オリンピックパラリンピック

東京2020が2021に後ろ倒しになっていたとはいえ、スパンが短くて不思議な感じがします。が、今回もしっかり北京オリンピック版のCMが制作されていました!

そして、パラリンピックの間にやってきた国際女性デー。

こちらも引き続き、各ブランドによるアクションが公開されています。

 

YouTubeからのスクリーンキャプチャ

 

続きを読む

SUPER BOWL 2022!海外広告事例

毎年注目が集まるスーパーボウルの広告。

昨年はBLMやパンデミックで多くの人が心を痛め、DEI(多様性、平等性、インクルーシブ)やヒュマニティーをテーマとした広告が目立った年だったと思います。

未だ新型コロナウィルスは終息はしていないものの、ワクチンも普及し今年はガラリと変わり仮想通貨や旅行関連企業なども参加し、未来に向かってイケイケドンドンな印象を受けました。

その中でも、特に今年らしいと感じた広告をいくつかご紹介したいと思います!

f:id:bbmedia:20220225172414j:plain

YouTubeよりスクリーンキャプチャ
続きを読む

ホリデイ広告2021 海外広告最新事例

はじめまして!グローバルビジネスグループに今年度入社した大北です!

わたしもついにこちらのブログで海外広告を紹介させていただくことになりました。

何卒よろしくお願いいたします!

 

12月もあっという間に半分を過ぎ、12月が師走と呼ばれる訳を実感するばかりの日々ですが、みなさまはいかがお過ごしでしょうか?

お忙しい日々の合間に、遊びごころ溢れるホリデー広告はいかがでしょうか!

f:id:bbmedia:20211223200450j:plain

YouTubeよりスクリーンキャプチャ
続きを読む

COP26開催中! 私たちが知っておきたい企業・ブランドのアクション

11月に入り涼しくなってきました。
とは言え、暑い日が急にあったり、寒くてコートを引っ張り出したりして、例年はどうだったかな?と振り返ったりしていますが、夏の平均気温は上がり、暖冬の年もあったり、地球温暖化により気候変動は拡大し深刻化しています。

パンデミック以降、ニュースだけでなくソーシャルメディアを通して様々な企業や身近なブランドでも社会問題、気候変動問題に対するアクションやステイトメントを目にするようになりました。

そして現在イギリス グラスゴーで開催中のCOP26ですが、開催に向けて多くの企業やブランドが広告を通して環境問題への取り組みと目標を発表しています。

f:id:bbmedia:20211108111328j:plain

YouTubeよりスクリーンキャプチャ
今回はその一部をご紹介したいと思います!

最新をピックアップ! 海外広告事例

今年も残りたった3ヶ月!10月に入ったにも関わらず、残暑が続き、未だノースリーブで生活していることに違和感を感じている、どうも児玉です。今回のブログでは、すべて9月に公開されたばかり、グローバルブランドの広告事例をご紹介いたします!

f:id:bbmedia:20211008134524j:plain

YouTubeよりスクリーンキャプチャ
続きを読む