GLOBAL CREATIVE TRIP

世界各国を旅しながら働く児玉が、海外のクリエイティブトレンドをいちはやくレポートします。

CES2020 建設的な崩壊:P&G篇

CES3日目も終わり、折り返し地点に到達しました、どうも児玉です。

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ラスベガスらしい、カジノの写真(日本語ではカシノではなくカジノなんですね...今気づく。)

ここ10年間を振り返ると、DISRUPTIONという言葉が1つ思い浮かびます。日本語に直訳すると、「崩壊」という意味なのですが、ここ10年間、テクノロジーの進化により新しいビジネスモデルが登場し、従来型のビジネスモデルが「崩壊」された10年とも言えます。

例えば、UberLyftなどによるライドシェアサービスによりタクシー業界が、Airbnbによる民泊サービスによりホテル業界が、消費者と直接的な関係を持つD-to-Cブランドはそれぞれの業界を「崩壊」しました。

182年間の歴史を持つProcter&Gambleという大企業は、この新しい波にどう太刀打ちできるのでしょうか。過去10年では、価値をも破壊するDISRUPTIONがありましたが、P&Gでは、ただ崩壊させるのではなく、成長を促し、消費者と市場に新しい価値を提供する崩壊の仕方:CONSTRUCTIVE DISRUPTIONをキーワードに進化しようとしています。

CONSTRUCTIVE DISRUPTION(建設的な崩壊)

P&Gの取り扱い商品は、家庭用洗剤やパーソナルケアなどの日常品です。このカテゴリーで一番大事なのは、商品自体のパフォーマンスです。商品、パッケージ、ブランドコミュニケーション、店頭体験、ブランド価値、すべての面において、他社より優れていることを目標にしています。他社、もしくは今までの経験より卓越することにより、消費者は戻ってくるとともに、むしろ元に戻れない状態にする、ということです。また、優れた商品と体験を提供することにより、消費が拡大します。ということは市場そのものが成長します。この手法は、競合他社から消費者を奪うより、より持続可能なビジネスにつながる、とPrichard氏。

今までにない素晴らしい価値を提供することにより、自社のビジネスが促進するとともに、市場が潤う、というのが、まさにCONSTRUCTIVE DISRUPTIONの定義となります。

では、素晴らしい価値とは、どんなものなのか。いくつかP&Gの商品を通してご紹介します。

 

Oral-B iO

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Oral-B iOより

ここ何年か、コネクテッド歯ブラシとしてCESに登場しているOral-Bですが、今年のOral-B iOは今までと少し雰囲気が違う...!パワーアップして登場しています。研究開発に6年間、18,000人に使ってもらい、辿り着いたのは人間の心理を掴んだインターフェースと、確実なパフォーマンスだと思います。

今年登場したOral-B iOが今までと違う点として、OLEDスクリーンがついており、このスクリーンを通して、ニコちゃんマークや朝の挨拶などを通して、人間性を持って歯磨きテクニックに磨きをかけてくれます。

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Oral-B iOより

また、ブラシ下にある光の輪っかが圧力の加減を教えてくれる仕組みになっています。調査によると、消費者の多くは歯茎に歯ブラシを推しすぎるのを怖がっていることが判明。赤だと押しすぎ、白だと弱すぎ、緑だとちょうど良い、と知らせてくれます。開発する中で、押しすぎを知らせる赤のみを当初採用していたようですが、人の行動を変えるには「褒めること」が大事であると判明したようで、緑の輪っかや、ニコちゃんマークの「褒めアクション」の採用に至ったらしいです。

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Oral-B iOより

あと、何よりすごいのが内臓されているテクノロジー。回転するブラシヘッドはOral-Bの特徴ですが、中に内臓されている振動システムによって、ブラシにある1本1本の毛が独自の振動を持つ、ということ。わからないけど、なんか凄そう。アメリカ、ヨーロッパ、中国で2020年8月に発売予定です。今年のCES、児玉が欲しいと思ったデバイスランキングベスト5には入りますね。

 

Lumi by Pampers

オムツブランドであるパンパースから発表されたのが、Lumiというコネクテッドベビーケアシステムです。システムに含まれているのは、ベビーモニター、専用アプリ、そして、何と言ってもオムツセンサー!ベビーモニターには、活動センサーが内臓されており、赤ちゃんが寝ているのか、起きているのか、モニターします。また、オムツセンサーによって、オムツが濡れているのか否か、オムツを何回変えたのか、などを知らせてくれ、赤ちゃんの睡眠、食事、オムツ変えのデータを蓄積し、習慣を教えてくれるものとなります。

 

Charmin GoLab

Charminとは、P&Gにあるトイレットペーパーブランドです。そして、GOLABとは、Charminの中にあるトイレ体験を作り変えようとしているイノベーションラボです。GOLABから登場されている製品にはいくつかあるのですが、ネタ的な意味で話題になっているのが、Rollbot。

トイレ途中で気づく、トイレットペーパー切れ...。それの救世主となるのが、Bluetooth搭載のトイレットペーパーロボ。トイレから、携帯を使ってRollbotを招く仕組みとなっております。(トイレに携帯を持ち込んでいなかったら...?)

一応、トイレットペーパー切れという恐怖を解消したい、という消費者ニーズを解決するためのイノベーションとなります。同じニーズに答えていて、さほどテクノロジーを使っていないのが、去年発売されたForever Roll。

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Charminより

24ロール分を1本にしたForever Roll(永遠のロール)は平均で1ヶ月持ち、専用スタンド付きとなります。アメリカ家庭では、トイレットペーパーを一度に大量に買うのが主流のようで、1つの解決策となっています。

 

と、こんな生活用品がCESの話題になる、と誰が思っていましたでしょうか。今までなかった価値によって、今後どのように消費者たちの生活、行動が変化していくのでしょうか。