2017年のCESでAmazonのAlexaが大々的に登場し、ついに「ボイス時代到来!」と言われました。まだまだ現実的に、一般家庭への導入、とまでは行かず、技術的に追いついていないところは多々ありますが、モバイルが人々の行動を変化させたように、ボイス(音声インターフェイス)が世の中を大きく変えていくことは間違いない、と言えるでしょう。
音声インターフェースの発達によって
・モバイルファーストから、ボイスファーストへ
・スクリーンから、スピーカーへ
・視覚的なウェブから、聴覚的なウェブへ
・下を向いている人たちから、まっすぐ前を向く人たちへ...?
どれくらいの速さで「ボイス時代」が到来するかというと
・スマホの導入スピードよりも速い
・2020年までには30%のウェブブラウズはスクリーンレスになると言われている
なのに、世界でトップ100企業のうち、オーディオガイドラインを作っているのはたった16企業のみ。今後、ボイスインターフェイスという環境のなかで、消費者とどう対話するか、ブランドは考えていく必要がある。
ブランドが今行うべきこと by North America DeutschのChief Digital Officer
① 会話の中で自分のブランドはどういった会話、話し方をするか考える
② ブランド独自のスキル、アクションを一から作るのではなく、人気スキルをすでに持っている人とパートナーシップを結び、ネイティブアドを通して実験してみる
③ GoogleやAmazon、Facebookへと目を向けるのではなく、ボイスを使って、どう消費者にブランド特有のエクスピリエンスを提供できるかを考えること
例>Dirty Lemonという飲料会社は2015年に設立されたSMSメッセージのみで商品を売る、というDirect to Consumerブランドです。いずれSMSメッセージではなく、ブランドと消費者が直接的な会話を通して、取引するのが当たり前な世の中になるかも!?
Forbesオンライン記事に掲載された実際のSMS会話より
Direct to Consumerブランドの強みは、やはり誰かが定めたルールに従って消費者と対話するのではなく、ブランドとそのブランドの消費者にあった対話、取引のあり方を構築していける、ということ。GoogleやAmazon、Facebookに頼るだけでなく、自分たちの”もの”にするのが、勝利への近道なのかもしれませんね。
データ不足によるボイスの進歩の遅れ by NestleのGlobal Search Lead
従来型のウェブサーチだと、十分なまでのデータがあり、消費者の行動を読み解くことが簡単だったが、ボイスになると、データが不足しているため、読み解くのが困難だという。ボイスを仕切っている大企業(名指しはしていなかったですが、AmazonとGoogle)は、ボイスインタラクションのデータを公開していなく、ブランドは余儀なくサードパーティデータとインサイトを現状使用している。Google Analyticsのように、"Voice Analytics"が登場すると、ボイスの進化は早まるのにー、とNestleのGlobal Search Leadは嘆いていました。
本当はGoogleからも登壇者が参加するはずだったこのセミナー、残念ながら急遽欠席となり、ブランドvsテク会社の場面は見られませんでした...。
エンドメモ
ボイスは世の中を大きく変えるものとなるため、ボイスを実験的に活用していくのは必須ですが、結局忘れてはいけないのは、消費者にどういったベネフィットをもたらせるのか、ということ。アプリが普及したとき、みんなが一斉にアプリを作りましたが、その時作ったアプリ、今使われていますか?