MWC2019 5G時代のコンテンツ
Mobile World Congress、発動しました!
今年の一番の話題はなんと言っても5Gです。しかし、5Gによって広告業界、エンターテインメント業界はどう変化していくのでしょう。
先週、アメリカのビジネス誌Fast Companyが発表した「World’s Most Innovative Companies(世界で最も革新的な企業たち)」の50社の中の1社に選ばれたRYOTというVerizonのImmersive Entertainment Studio(没入型エンタメスタジオ)が登壇するセミナーに参加してみました。
RYOTが「革新的な企業」の1社に呼ばれる理由とは?
去年の9月にイノベーションスタジオをロサンザエルスにオープンし、最先端のテクノロジーを使って、5G時代へ向けた次世代コンテンツの制作に本格的に取り組んでいる、ということから、選出されたようです。
5G!5G!5G!と騒がれている中、実際、世の中はどう変化するのでしょうか。
1G <VOICE>:人々は通話を通して、つながりを持ち始めた
2G <TEXT>:メールの発展により、人と人のコミュニケーションを変えた
3G <DATA>:ソーシャルメディアの誕生により、社会の中での人との関わり方を変えた
4G <VIDEO>:動画の爆発により、ビデオ、エンターテインメントを変えた
5G <POST-SMARTPHONE ERA>:ポストスマホ時代へ
5Gが世の中に一般的に浸透するにはまだ何年か先、と言われている中、そんなのはあっという間の期間であり、今から5Gの世界を考えながら準備するのが必須である、とRYOTのMark Mellingさんは話しておりました。
そこで、RYOTが5Gを考える上で大切にしている5つの行動規範をご紹介します。
1. Understand the Tech
組織全体が5Gというテクノロジーを理解し、自分の組織にどういった変化をもたらすのか、考えること。
2. Forcast the Impact
自分の業界だけでなく、他の業種にどのようなインパクトを与えるのかを考えること。また、その変化により、自分たちにどのようなチャンスがあるのかを考えること。
3. Distinguish between Connectivity vs Capabitlity
コネクティビティを提唱するのではなく、コネクティビティがもたらすケイパビリティのことを考えること。5Gの一般導入がまだ先だったとしても、今、RYOTができることは何か、と考えたとき、狭い範囲でなら5Gを導入することができると思い、5G環境のスタジオを作り、5Gで可能となるコンテンツ制作に挑んでいる。
4. Experiment with the Present
生き残るためには、現在、すでに存在するテクノロジーを利用し続けること。必ずしも全てが5Gである必要はなく、その場に適したテクノロジーを利用することが鍵です。
5. Experiment with the Future
4番に比べて、生き残るためではなく、成長してくためには新しいテクノロジーに率先して挑んでいくこと。今まででデジタルは2Dのものであったが、人間そのものは3Dの生き物である。未だにライブストリームではなく、実際にコンサート会場やスポーツ観戦、MWCのようなカンファレンスに足を運ぶ理由はそこにある。コンテンツは2Dに納まらず、今後もっとImmersive(没入型)になっていく。その考えをコンテンツに落とし込んだ事例として紹介されたのが「Terminal 3」というインタラクティブなAR体験です。
「Terminal 3」は、体験者がアメリカの入国管理局の職員となり、Hololensを通してホログラムとして登場するイスラム圏からの旅行者に様々な質問をし、入国させるか否か、決断させる、という複雑な政治問題を題材にしたコンテンツです。質問を通して、旅行者との会話が進むにつれ、モヤモヤだったホログラムが少しずつはっきりとなっていき、その人がリアルになっていく様子を描いていく。
今後、このようなImmersive Storytellingが増えていく、と予想されます。