GLOBAL CREATIVE TRIP

海外のブランド事例やクリエイティブトレンドをいちはやくレポート

COP26開催中! 私たちが知っておきたい企業・ブランドのアクション

11月に入り涼しくなってきました。
とは言え、暑い日が急にあったり、寒くてコートを引っ張り出したりして、例年はどうだったかな?と振り返ったりしていますが、夏の平均気温は上がり、暖冬の年もあったり、地球温暖化により気候変動は拡大し深刻化しています。

パンデミック以降、ニュースだけでなくソーシャルメディアを通して様々な企業や身近なブランドでも社会問題、気候変動問題に対するアクションやステイトメントを目にするようになりました。

そして現在イギリス グラスゴーで開催中のCOP26ですが、開催に向けて多くの企業やブランドが広告を通して環境問題への取り組みと目標を発表しています。

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YouTubeよりスクリーンキャプチャ
今回はその一部をご紹介したいと思います!

 HITACHI | World's First Zero Carbon Powered Film


HITACHIは世界初、炭素排出ゼロのエネルギーで制作された動画を発表。
 
冒頭のコピーで、

FILMS ALWAYS TRY TO MAKE A BIG IMPACT
動画は世の中に大きなインパクトを与えようとしている

THIS ONE MADE NONE AT ALL
この動画は世界にインパクトを全く与えていない


と紹介されているように、撮影場所はスタジオではなく海で撮影をし、太陽電池を使うことで世界初の炭素排出ゼロで制作。
撮影後の編集も再生可能エネルギーを使用し、制作の裏側でも環境への負荷を抑えた作品となっています。他にもサイクリングをしている男女3名によって発電され投影されている映像は、HITACHIが開発した蓄電池鉄道車両や現在手掛けているバスや車など低炭素モビリティの紹介になっておりHITACHIの様々な挑戦を知ることができます。


そして車の続きで、ご紹介したいのがヒョンデの広告です!

 
Hyundai | Expecting Generation One

ヒョンデの広告のタイトルは"Expecting Generation One" (これから生まれるジェネレーションワンへ)

Generation one とは、気候変動を抑える私たちの活動により、初めてカーボンニュートラルの世界を生きる世代の事をさしており、妊娠中の女性が様々な言語で"I expect you..."(あなたに期待)と語りかけています。

ここでの”You”はヒョンデでもあり、未来を変える力を持っている私たちに語りかけられています。

そして人間だけでなく、クジラやペンギンやゾウなどの動物達も同じく次に誕生してくる世代がクリーンな空気で過ごせるように、エミッションフリーの世界(脱炭素社会)を目指し、2045年までにカーボンニュートラルを達成する取り組みを進めています。

 
McDonald's UK | Change a little, change a lot


 地球に与えるインパクトに対して批判を受けてしまいやすいマクドナルドは、再利用の取り組みを発表した広告を制作。

調理で使われた油はバイオディーゼル燃料へ、紙コップはグリーティングカードへ再利用。

ハッピーセットのおもちゃで使われたプラスチックは子供達の遊び場へ変化として紹介されていますが、2025年までに再生可能なサステイナブル素材へ移行し、化石資源由来の原料を新規に使用したプラスチックの量を約90%削減することを発表しています。

小さな頃集めるのが好きだったハッピーセットのおもちゃ。

未だに捨てられない物も持っていますが、サステイナブル素材へと進化を遂げてどういうおもちゃが次世代の子供たちへ届くのか気になります。

最後はChange a little, change a lotというコピーで締めくくり、小さな行動が大きく変えると伝えています。

 

Ebay | Buy a Thing, Sell a Thing

オンラインオークションサイトのeBayはサステイナブルをテーマにした広告映像を発表。

ゴミ箱にテレビを捨てている人へ冷たい視線を送り、人形、バイク、靴、洋服などが様々な年代や性別の人たちの間で交換されていくミュージカル仕立ての広告。

タイトルや映像内でもBuy a Thing, Sell a Thingと歌っているように、「何か一つを買うたびに、何か一つ売ろう」を促したキャンペーンになっています。

最後は「そのアイテムは誰かにとって宝物になるかも」というナレーションが流れ、消費者へ何かを買うたびに捨てるのではなく、売ることを促し、サステイナブルで循環型経済を目指しています。

ちなみにeBayで一番最初に売れたものは壊れたレーザーペン

25年以上経った今でも意外な物が誰かにとってお宝だったりします・・・!

 

Sainsbury's | Helping Everyone Eat Better 


イギリスのスーパーマーケットのSainsbury'sは10年間、「お金をかけずに良い暮らしを」をモットーにブランドのスローガンは"Live well for less"でしたが、この度2021年から"Helping everyone eat better"へ変更。

これはイギリス国民の1/4だけが1日に5種類の野菜またはフルーツしか食べれず、多くの家庭が6種類のレシピしか作れないという事実から、"Helping everyone eat better."(より良い食習慣を皆さまへ)というスローガンへと変更されました。

また、野菜やフルーツを多く取り入れることは健康に繋がるだけではなく、地球にも良い効果が。

1/4の以上の温室効果ガスの排出は食料生産によるものですが、Eatwell Guide*による野菜、フルーツ、炭水化物を中心とした食生活を取り入れることで約30%の温室効果ガスを減らすことが様々な調査により発表もされています。

しかし、肉が大好きな人にとってはいきなり野菜中心になるのは結構厳しかったりするもの。。。

Sainsbury'sの広告では 完全に動物性タンパク質から植物性タンパク質に移行するのではなく、料理にお肉と豆類を半々の割合で取り入れる”Halfest”が紹介されています。

理想としてはEatwell Guideの食事バランスですが、ストレスをかけすぎず健康と地球のことを考える大切さを伝えています。

ちなみにSainsbury'sが今年最初に公開した広告は夕食または1日の食事の中で野菜やフルーツを中心した食事を1食取り入れることを提案しています。

思わず、どこかの惑星?ジャングル?マグマ?と思ってしまう映像も実は野菜でなかなかユニークな映像になっています。

 

Sainsbury's | Helping Everyone Eat Better 

 

今年の2月〜5月までヘルシースタートバウチャーとして野菜やフルーツのクーポンも配布され、ウェブサイトでは野菜やフルーツを中心としたレシピも公開されました。

パンデミック以降自炊する回数も増え、レシピ難民には嬉しいですね。

 

以上、環境問題をテーマにした広告の一部をピックアップさせていただきましたがいかがでしたでしょうか?

ご紹介した動画を通して何かを始めたり、発見があると嬉しいです!

 

ビービーメディア 高嶋